徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)10月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1156 四面

東日本開設で3センターそろう
徳洲会病理部門
集約化で診断の質確保

徳洲会病理部門は東日本病理診断研究センター(TEP)を立ち上げた。拠点は成田富里徳洲会病院(千葉県)で、センター長は福本学・病理診断部部長。2016年12月開設の九州・沖縄病理診断研究センター(T-KOP)、今年2月開設の大阪病理診断研究センター(TOP)と合わせ、徳洲会病理3センターがそろった。これにより、地域ごとに徳洲会グループ病院の病理診断を集約し、診断の質を確保していく。8月29日には徳洲会病理センター長会議を初開催、各センターの運営状況や管理方法など共有した。

TEPは福本センター長(中央)を中心に運営 TEPは福本センター長(中央)を中心に運営

8月に開設したTEPは常勤医1人、非常勤医1人、臨床検査技師2人、さらに東京医科大学八王子医療センターと協力関係を結び運営している。現在、成田富里病院に加え、四街道徳洲会病院(千葉県)が参加。11月には千葉西総合病院も加わる予定だ。

病理医は患者さんの体から採取した組織や細胞を調べ、がんなど病気の有無や進行度を判断するのが主な業務。多くの場合、「病理診断」を最終診断として治療方針を決定するため、とくに病理医は、がん医療を実施している病院に不可欠だ。

しかし、病理医は慢性的に不足しており、徳洲会でも全国71病院中、病理診断科の常勤医がいるのは20病院にとどまっている。こうしたマンパワー不足を解消するため、徳洲会病理部門が策定したのが「徳洲会病理3センター構想」。TEPを開設したことにより3センターがそろった。

福本センター長は「地域ごとにグループ病院の病理診断をセンターに集約することで、効率よく質を確保することができます」と強調。たとえば手術後に、別の部位にがんが再発した場合、転移したのか新しく発症したのかによって、治療方針が変わる。先入観にとらわれることなく、正しい診断を導き出すには病理医によるダブルチェックが必須だ。

ダブルチェックで診断の質を確保 ダブルチェックで診断の質を確保

「常勤医が1人しかいない病院は、外部にコンサルテーションなどしていると思いますが、今後は病理センターに業務を集約するなどグループ内で協力体制を築いていけたら良いと考えています」と展望する。

また、検査会社にはない強みとして、「グループ内で協力しているため、患者さんを中心にして臨床医と密にコミュニケーションを取りやすい。臨床医が病理診断を依頼する際、どうしても情報が不足している場合があります。そんな時に気軽に対話できるのはグループならでは」と話す。

TEPの9月の実績は病理組織診断件数が164件、10月はさらに増加する見込みで、手応えを感じている。福本センター長は「まだ2病院だけですが、参加病院が増えれば、さらに効率化できると思います。ただし、各病院とも、これまでのやり方があるので、参加は強制するものではないと考えています。まずは当センターの体制を強化し、安心して病理診断を任せられると感じてもらえるようにしたい」と課題を提示。

今後、常勤医を増やす必要があると福本センター長は指摘し、「今はまだ術中迅速病理診断の件数が少ないので、現状のメンバーで全例ダブルチェックも対応できていますが、体制強化は必要です」と強調。さらなる展望として、「学会発表や論文執筆など研究活動にも精力的に取り組んでいきたい」と意気込みを見せている。

センター長会議を初開催

「センター化でオーバーワークも解消したい」と青笹・最高顧問 「センター化でオーバーワークも解消したい」と青笹・最高顧問

3センターの先駆けとして16年12月にT-KOPを開設。福岡徳洲会病院を拠点とし、笹栗靖之・病理診断科医師がセンター長を務めている。離島病院を含む11病院が参加。昨年の病理組織診断件数は1万件を超え、好調な滑り出しとなった。

続いて今年2月にTOPを開設。八尾徳洲会総合病院(大阪府)を拠点とし、青笹克之・病理部門最高顧問(医療法人徳洲会顧問)がセンター長に就いている。八尾病院では15年7月から生駒市立病院(奈良県)の病理組織診断を受託、昨年7月からは細胞診も受託している。これに松原徳洲会病院(大阪府)も加わりセンター化を実現した。病理組織診断件数は1年で7500件を超える見込み。今後、参加病院が増える見とおしだ。

青笹・最高顧問は「センター化は徳洲会のスケールメリットがあるからこそ実現できたことです。TEP開設時には、これまでのノウハウを生かすことができました。質の確保だけでなく、センター化でマンパワーを集約することにより、病理医のオーバーワークも解消したいと考えています」と狙いを説明する。

徳洲会病理センター長会議を初開催 徳洲会病理センター長会議を初開催

8月29日には一般社団法人徳洲会東京本部で徳洲会病理センター長会議を初開催。3センター相互の連携により、課題解決していくのが目的だ。今後は共通の業務報告書・損益勘定表などを使用し、統一した管理規定の下、センターを運営していく方針。

青笹・最高顧問が次の課題として挙げるのが術中迅速病理診断への対応だ。目下、標本の画像データを3センターに送り、診断を返信するシステムの構築を進めている。今秋をめどに、術中迅速病理診断用の標本をつくるための機械を有し、これに対応できる臨床検査技師がいる病院を対象に、標本を画像データに変換・転送する装置の導入を検討している。

また、CPC(臨床病理検討会)の定期的な実施も課題のひとつ。これは病理医が作成した病理解剖学的診断書をもとに、臨床医や医療関係者が一堂に会して医療行為を振り返る勉強会だ。青笹・最高顧問は「開催する場合は地域にオープンにすると良いと思います。診療所医師は、病院に患者さんを紹介した後を知る機会がありません。ともに学び情報共有をしっかりすることで、地域の医療レベルの向上が図れます」と話す。

「病理3センター体制はまだ始まったばかりですが、これからもっとパワーを付けていきたい。大きくなれば自由度も上がりますし、徳洲会で働きたいという病理医も増えてくるでしょう」と意気軒高だ。

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