徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)10月1日 月曜日 徳洲新聞 NO.1153 四面

最大震度7の北海道胆振東部地震
徳洲会職員が一丸
安全確保に奔走!

9月6日午前3時8分頃に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震。震源に近い厚真(あつま)町で最大震度7を記録、札幌市内でも最大6弱の揺れが生じ、人的・物的被害をもたらした。全道的に停電し、停電中は自家発電に限られ大型の医療機器などが使用できず、電子カルテがダウンした病院では紙カルテで代替した。徳洲会は北海道に6病院など医療・介護施設を展開。地震直後のグループ病院の対応を伝える。

トリアージ実施し緊急手術も

災害対策本部で情報共有(札幌病院) 災害対策本部で情報共有(札幌病院)

「非常に強い揺れで目が覚め、急いで病院に駆け付けました。午前3時半頃、管理当直の看護師長(看護部長の不在時に代理となる者)など院内にいたスタッフと災害対策本部を立ち上げました」

震度5弱を記録した札幌市厚別区に立地する札幌徳洲会病院の宮本浩義・事務部長はこう振り返る。同本部立ち上げと並行し、患者さんの安否や院内の被災状況を確認。

電力が非常用発電に限られ、X線撮影装置やCT(コンピュータ断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴画像診断装置)など大型医療機器が停止。6日、7日は特別な診療体制を取った。ER(救急外来)による救急の受け入れのほか、1階ロビーに長机といすを並べてトリアージ(緊急度・重症度選別)ブースを設営し、処置台としてストレッチャーやベッドを設置。内科、外科、外傷整形外科などに絞って緊急性の高い患者さんを中心に診療。さらに緊急性の高い消化器外科の手術を1件実施した。

1階ロビーにトリアージブース設営(札幌病院) 1階ロビーにトリアージブース設営(札幌病院)

発電効率の高いコージェネレーション(熱電併給)発電が6日午前9時35分と比較的早い段階で復旧したことが幸いし、人工透析は予定どおり実施。透析が困難な状況に陥った札幌南徳洲会病院から約30人を受け入れたほか、4枠を旅行透析とし、観光などで札幌市を訪れていた患者さんの透析を引き受けた。停電は6日夕方に復旧。土日をはさんで10日から通常どおりの診療に移行した。

震度6弱の地震に見舞われたのは札幌市東区にある札幌東徳洲会病院。同院の釜野伸吾・総務課長は「非常灯のみの薄暗いなか、懐中電灯の明かりを頼りに、当直スタッフたちで地震直後に災害対策本部を設置し、患者さんや院内の状況の確認を行いました」と話す。

不測の事態に備えICU(集中治療室)で人工呼吸器を装着した数人の重症患者さんについては、EMIS(広域災害救急医療情報システム)を通じ搬送を依頼。大学病院などに移ってもらった。

コージェネ発電の復旧が6日午後3時頃までずれ込んだことなどにより、その日は一般外来を制限し、軽症の救急患者さんの受け入れに注力。予約患者さんには日程変更の電話連絡を入れた。延期を決めた予定手術も日程調整し、後日実施。

ストレッチャーやベッドも設置(札幌病院1階) ストレッチャーやベッドも設置(札幌病院1階)

札幌南徳洲会病院は震度5強の札幌市清田区に立地。6日午前4時に災害対策本部を設置、入院患者さんの安全確認などを行った。下澤一元・事務責任者は「通常診療は困難だったため、ウォークイン(独力で来院した救急患者さん)を中心に、その都度対応したほか、連携先の診療所から要請があり、在宅酸素療法を行う患者さんの入院を受け入れました」。

6日朝の時点では非常用発電の燃料確保に不安があり、人工呼吸器を装着した数人の患者さんの安全を優先し、EMISで搬送を依頼。4人を大学病院に搬送した。エレベーターが停止したため食事の配膳はリレー形式で行った。断水の復旧までは受水槽での対応となったが、水道局の給水車がピストンで供給、底を突くことはなかった。7日夜に停電が復旧し、8日から入院・外来とも平常どおりの体制に移行。

震度5強の新ひだか町にある日高徳洲会病院は、地震発生から間もなく災害対策本部を立ち上げ、患者さんや職員の安否確認、院内の点検を実施。狩野義宗事務長は「当院では非常用発電機で対応できる範囲で、6日朝から外来の予約患者さんの診療を行うなど、おおむね通常どおりの診療体制を取りました」と話す。

念のため6日は透析を中止し、翌7日に実施。その後も1日ずつずらし、通常は透析を行わない日曜日(9日)にも実施することで、1日分の遅れを吸収する対応を取った。

人工呼吸器を付けた患者さんを大学病院に搬送(札幌南病院) 人工呼吸器を付けた患者さんを大学病院に搬送(札幌南病院)

共愛会病院が立地する函館市は震度5弱。午前3時半、災害対策本部を設置。患者さんの安否や医療機器の状況などを確認した。6日は一般診療を制限し、救急や緊急性のある外来患者さん、透析患者さんに対応。7日から通常診療に戻した。

沼田圭介事務長は「患者さんの安全を第一に考え、停電復旧まで非常用電力の燃料である重油の確保などに努め節電を徹底しました」と振り返る。

帯広徳洲会病院がある音更(おとふけ)町は震度4のエリア。地震後、災害対策本部を設置し、患者さんや被害状況を確認。山本誠・事務部長は「6日は自家発電のみの電力供給のため外来の通常診療は休診とし、予約患者さんの定期処方のみ対応しました。停電以外の大きな影響はありませんでしたが、透析は4時間を3時間に短縮するなど非常時対応を取りました」と話す。

中止にした通所リハビリテーションや健診の利用者さん・予約していた方への電話連絡や、配膳準備などを他部署のスタッフが手伝うなど一丸となり乗りきった。7日午後5時頃から救急を含め通常の診療体制に移行。

各病院とも対応の振り返りを行い、課題を洗い出すとともに今後に備え、災害対応マニュアルの策定や見直しなどを通じ防災力の向上を推進する。

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