徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)7月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1092 四面

韓国・京福大学校の看護学生
日本での初実習を無事修了
徳洲会クラス1期生が決意を新たに

韓国・京福大学校医療保健学部看護学科の「徳洲会クラス」1期生20人(4年生)は7月14日、日本での初の臨地実習を修了した。学生たちは7月3日に湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)でオリエンテーションを行った後、4日から同院と湘南鎌倉総合病院(同)に10人ずつ分かれ実習。病院以外の施設(介護老人保健施設=老健、特別養護老人ホーム=特養、訪問看護ステーション)でも実習を行った。14日夜には修了記念式を開き、実習を振り返るとともに、再び来日し同じ仲間として徳洲会グループ病院・施設で一緒に働くことを誓った。

13日間の実習を無事に終え、笑顔で鈴木隆夫・徳洲会理事長(前列右から3人目)をはじめ徳洲会関係者と記念撮影に応じる実習生 13日間の実習を無事に終え、笑顔で鈴木隆夫・徳洲会理事長(前列右から3人目)をはじめ徳洲会関係者と記念撮影に応じる実習生

湘南鎌倉病院チーム10人は実習期間の後半、愛心訪問看護ステーション、特養かまくら愛の郷、老健リハビリケア湘南かまくらで実習に臨んだ。

最終日に同ステーションで実習を行ったイ・イェウン実習生は、患者さん宅訪問を初めて体験。秋山麻美子看護師に同行し、「はじめまして。韓国から来ました」と日本語で挨拶した。

患者さんは今年100歳を迎える女性で、週2回の排便コントロールと手足のリハビリテーションを受けている。秋山看護師は熱や血圧を測った後、「お通じ出しますよ」と優しく声をかけ、排便コントロールの準備。イ実習生も新聞紙を敷いたり、患者さんの体位変換を手伝ったりした。

徳洲会クラス

徳洲会の理念に基づくケアを実践し、世界に通用する看護師の育成を目的に、2014年に京福大学校医療保健学部看護学科に開設。4年時には「国際看護学実習」として来日し、徳洲会病院・施設で実習を受ける。韓国の看護師免許取得後、徳洲会病院・施設でのインターンを経て、日本の看護師国家試験合格者が徳洲会病院に看護師として入職する。1期生の入職は2019年を予定。
続いて手足の拘縮を予防するためのリハビリを実施。患者さんの腕や足を伸ばす際に、「1、2、3……」とイ実習生も一緒に数えながら見守った。その後、家族の相談に乗り患者さん宅を後にした。

午前に2軒、午後に1軒の患者さん宅を回り、この日は終了。イ実習生は「すべての家で気持ち良く迎え入れてくれたのは嬉しかったです」と謝意を示し、「訪問看護師が心からケアをしている様子に感動しました」と真剣な表情。また、日本で初体験した訪問看護について、「韓国でも同じような制度が整えば良いと思います。自分も役に立てるようになりたいです」と目標を語った。

リハビリ時に声をかけながら見守るイ・イェウン実習生(左) リハビリ時に声をかけながら見守るイ・イェウン実習生(左)

1日の締めくくりに質疑応答を実施。同ステーションの野口薫看護師(管理者)は、「笑顔にはとても気を付けています。1週間に1回しか会わない患者さんに気持ちよく看護を受けていただき、また1週間後を楽しみに思っていただけないと、私たちがいる意味がありません」と熱い気持ちを伝えた。

同じく指導を行った鈴木照世看護師は「実習生から『患者さんと看護師との距離が近いと感じた』という感想がありましたが、実習を通じて人と人とのつながりの大切さに気付いてもらえて嬉しいです」と笑顔。

湘南藤沢病院チーム10人も実習期間の後半は老健茅ヶ崎浜之郷、特養つるみね、茅ヶ崎駅前訪問看護ステーションで実習。

茅ヶ崎浜之郷では職員が実習生に介護保険制度と老健に求められている役割を説明。在宅と医療機関などとの中間施設として、リハビリ中心のケアを提供していることを示した。施設内には多様な職種が在籍し、ひとりの利用者さんにそれぞれ専門的な観点からかかわっていること、施設ケアマネジャーが多職種と連携しながら個別のニーズに合わせてケアの内容を調整する仕組みを伝えた。

茅ヶ崎浜之郷でチューブバンドを使ったリハビリを利用者さんと一緒に行うイ・ドヨン実習生 茅ヶ崎浜之郷でチューブバンドを使ったリハビリを利用者さんと一緒に行うイ・ドヨン実習生

現場の見学では、施設看護師の仕事として入所者さんの状態観察や処置対応、水分補給、特殊浴での入浴の可否や処置介助などを学習。最終日には通所の利用者さんに行うリハビリの様子を見学し、歩行などの身体機能や嚥下(えんげ)、認知機能を維持するためのトレーニングを理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の説明を受けながら見守った。「大丈夫ですか」と声をかけるなど、利用者さんとコミュニケーションを取りながらトレーニングを体験する実習生やメモを必死に取る実習生の姿が印象的だった。

音楽療法も実施し、実習生は日本の歌を利用者さんと一緒に口ずさんだ。最後に韓国の歌謡曲を披露。息の合ったダンスをしながら歌う姿に、利用者さんから大きな拍手が湧いた。「皆さん明るくて勉強熱心。感心しました」(田村泰施設長)。

つるみね、茅ヶ崎駅前訪看ステーションでも介護保険制度や地域包括ケアシステムなどをふまえ、各施設・事業所の役割や特徴を説明。口から食べること、看取りに注力していることなどを学び、訪看ステーションでは看護師や理学療法士に同行して午前と午後にそれぞれ1軒ずつ患者さん宅を訪問した。

音楽療法で即興ダンスを交え韓国の歌謡曲を披露する実習生(左からイム・チャンヒ実習生、イ・ジウン実習生、ミン・ジョンア実習生、バン・スヨン実習生、イ・ドヨン実習生) 音楽療法で即興ダンスを交え韓国の歌謡曲を披露する実習生(左からイム・チャンヒ実習生、イ・ジウン実習生、ミン・ジョンア実習生、バン・スヨン実習生、イ・ドヨン実習生)

1日の最後に開いた質疑応答では「嚥下機能の状態によって食事形態の違いがあるとわかった」(バン・スヨン実習生)、「特養と老健の違いが理解できた」(イ・ジウン実習生)、「自分が患者さんに力を与えるだけでなく、患者さんから力をもらいながら、共に成長する重要性を感じた」(イム・チャンヒ実習生)との声が聞かれた。

すべてのプログラムを終え笑顔の実習生に、老健茅ヶ崎浜之郷の小島栄子・総看護師長は「在宅も含めトータルで看護できるように成長してほしい」とエールを送った。

学生を引率した京福大学校のクォン・スンヒョク教授は「徳洲会は患者さんに対する気持ちや姿勢が素晴らしいと感じました」と語り、実習生が毎晩、「もっと勉強しなければ」と話していたエピソードを明かした。

キム・ソンジェ教授は「当校にとっても徳洲会にとっても初の試みで、困難なこともありましたが、無事に終わりほっとしました」とにっこり。「徳洲会の看護はシステムが整っているように感じました」と振り返り、「期間中、これ以上ないくらい徳洲会には良くしていただきました。学生は本当に素晴らしい環境で働けると思います」と目を輝かせていた。

参加者に笑顔と涙
実習修了記念式を開催

実習修了の記念に鈴木理事長から実習生一人ひとりにTシャツを授与 実習修了の記念に鈴木理事長から実習生一人ひとりにTシャツを授与

実習期間を終え、14日夜に神奈川県内で記念式を開催。京福大学校と徳洲会の関係者ら約70人が出席した。

一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長は「異なる文化で大変だったと思います」と実習生をねぎらい、徳洲会がアジアやアフリカを中心に、さまざまな国の医療支援を行っていることを紹介。「ぜひ国境を越えて私たちと皆さんとが“生命だけは平等であってほしい”という同じ気持ちで一緒に仕事ができる日を夢見ています」と語りかけると、会場から大きな拍手が湧き起った。

キム教授は涙で挨拶 キム教授は涙で挨拶

じゃんけん大会で優勝したキム・ミヒ実習生に浴衣をプレゼント。早速着て登場すると多くの実習生から「かわいい」の声 じゃんけん大会で優勝したキム・ミヒ実習生に浴衣をプレゼント。早速着て登場すると多くの実習生から「かわいい」の声

遊佐千鶴・常務理事も実習を無事に終えたことについて、関係者に謝意を示し、「徳洲会に入って自分の夢を実現していただきたいと思います。グループを挙げて待っています」と実習生に呼びかけた。

キム教授とクォン教授も登壇し、それぞれ徳洲会に謝意を示した。キム教授に実習生から声援が飛ぶと、目を潤ませながら日本での初の実習を無事に終えたことをひときわ喜んだ。

式の途中では、修了証代わりにオリジナルTシャツをプレゼント。鈴木理事長が実習生一人ひとりに手渡した。このほか、遊佐・常務理事とのじゃんけん大会を行い、優勝者のキム・ミヒ実習生に浴衣を贈った。また実習期間を写真で振り返るスライドショーも観覧した。最後に、湘南藤沢病院の八木沼正子・看護部長が韓国語で挨拶。感謝の気持ちなどをつづったメッセージを涙しながら一生懸命読み上げる姿に、参加者は感動を隠さなかった。

実習を終えて

看護と介護の役割の違い学ぶ

キム・ソンヘ実習生 キム・ソンヘ実習生

2週間はあっという間でした。不安はありましたが、いつも優しく指導していただき助かりました。病院だけでなく老健などを見学できたのも良かったです。看護師と介護職員の役割の違いを学びました。

日本人の笑顔と優しさ見習いたい

ムン・ジェヒ実習生 ムン・ジェヒ実習生

韓国との違いを考えながら実習期間を過ごしました。日本の看護師は笑顔にあふれ、患者さんにいつでも優しかったです。車いす乗車を自ら体験したのも印象的でした。時間が経つにつれ腕が痛くなり大変さがわかりました。

後輩へ「自分の考えしっかりもって」

イ・スンヒ実習生 イ・スンヒ実習生

文化や言葉の違いに最初はとまどいましたが、皆さん優しく教えてくださるので不安なく過ごせました。病院、介護施設、在宅といろいろな看護の形があるなか、後輩には「看護に対する自分の考えをしっかりもって実習に臨んでほしい」と伝えたいです。

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