徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

渡部 和巨(わたなべかずなお)(東京西徳洲会病院院長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

渡部 和巨(わたなべかずなお)

東京西徳洲会病院院長

2017年(平成29年)7月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1092

職員自らがさまざまなことに点火し
燃え上がれる環境を提供し続けたい
一人ひとりがHot Spotsを体感できるために

先日、日野原重明先生(聖路加国際病院名誉院長)が105歳で永眠された。プロスキーヤーの三浦雄一郎氏のお父様の敬三氏(享年102)は99歳でヴァレブランシュ氷河からスキーで滑降した。

映画『グリーンマイル』(1996年)で、主人公の看守ポールは、長寿の力をジョンから受け継がされ、108歳になっても健康に生き続け、愛する人たちに先立たれる人生を送る定めとなった。「神様、私には死への道(グリーンマイル)があまりに長く感じます」と。

ユヴァル・ノア・ハラリ氏が35歳の時に記した『サピエンス全史』では、死はオプションとなる。人の生死にかかわるのは研究室のギーク(技術オタク)であって、神父でもなければ神学者でもない。

アイオワ大学のPeter Densen医師は2011年に、医学知識が2倍になる年数は1950年時で50年。2020年時ではわずか0.2年(73日)だと発表した。米IBM社製のワトソンが二次性白血病を診断したニュースは、もう新しくはない。医学の進歩についていくためには、いつもアンテナを敏感にしておかなければならない。

救急だから仕方がないではなく質が問われる

救急外来にはさまざまな訴えをもった方々が来院する。若い女性が受診しても、問診もそこそこに、すぐにX線検査をする。思いつく検査をすべてしてから診断を付けることが当たり前になり、深い問診と身体所見から、するべき検査を取捨選択する習慣がなくなりつつある。

限られた時間のなかで、単純にその病気だけを治せば解決できるケースは減り、さまざまな病気を抱えた患者さんを対象とする場面が増加している。今こそ救急対応チームの質が問われる。救急だから仕方がないではなく、そこに結果が問われる。その対策が急務だ。救急対応を目指す若い医師が都内では減っている。三次だけ診ていては病院が成り立たないとの声もある。このような状況下、我々が目指している救急は、やはり正しいと確信する。

救急患者さんは当院の循環器内科、外傷整形外科を指名されることが多い。ホットラインの電話録音で対応の向上を図っている。病院に救急患者さんが運ばれてきたら、搬入日時、搬送部隊、性別、年齢、疾患名、重症度、担当医、転帰の結果を記した一覧を各救急隊に毎週持参している。声の関係が顔の関係に替わると、一挙に情報交流が増大するのだ。

7対1看護やJCI取得 診療科の増加など目指す

『LIFE SHIFT ~100年時代の人生戦略』を著したリンダ・グラットンは、その9年前、『HotSpots ~なぜ、ある会社はエネルギーと革新に満ち溢れ、ある会社はそうでないのか?』において、知性、感情、社会性の相互関係のなかで、それぞれの集団がどう活性化し、躍動できるかを具体的に書いている。

当院は圏央道グループホールディングス(仮称、初期研修医86人、2275床の7病院群)のひとつであり、20年には圏央道拡張により、さらに病院群間を短時間で行き来可能になるため、一層の交流を考えたい。今後、当院は看護師の7対1配置基準の達成、JCI(国際的な医療機能評価)取得、救急対応のピアレビュー(相互評価)、診療科の増加とその充実、全486床の高度急性期病床化を目指している。来年8月には借入41億円の返済も完了する。

職員一人ひとりがHot Spotsを体感できるために、生き生きとした8時会の開催と正確な情報掲載、朝礼時の秀逸な3分間スピーチやリーダー・スピーチの掲載を行っている。また感動した「直言」は各人のメールボックスに感想・解説付きで配っている。随時実施している各職種による全体ブロック会議での内容も、イントラネット(院内情報通信網)に掲載している。これは徳洲会グループ全体と各病院の動向を知るのに役立つ。院内各種議事録も容易に閲覧できるようにする。

オンラインマーケットを運営しているアリババの創業者、ジャック・マーは組織のなかに20%いるライオン(優秀な職員)は、羊(普通の職員)をライオンに変えられると言う。そうなれば職員の90%がライオンになる。そのためにも、職員自らがさまざまなことに点火し燃え上がることができる環境を、私は提供し続けたい。

皆で頑張りましょう。

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