2017年(平成29年)6月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1088 一面
南部徳洲会病院
高齢者に調理実習
身体機能の維持・向上にも寄与
南部徳洲会病院(沖縄県)は5月30日、県内の公民館で高齢者向けに調理実習を実施した。同院は自治会や介護施設に提供可能な医療講演やイベントのテーマ一覧を配布し、そこから選択して依頼してもらっているが、なかでも調理実習は人気テーマのひとつ。今回は西原町の上原自治会からの依頼で35人が参加、うち最高齢は91歳だった。
企画した古波津副主任は参加者の笑顔が見たいと意欲的
同院が用意している調理実習のメニューは、ハンバーグや餃子など必ず「こねる」作業があるもの。企画した地域医療連携室の古波津学主任は、「こねることで高齢の方の手の運動にもなっています」と意図を説明する。今回、参加者が挑戦したのは沖縄そばの麺づくりだ。
会場には人数分の道具と材料がずらりと並び、古波津主任の説明のあとに強力粉とかん水を混ぜて、こねる作業を開始。40分ほど、こね続けないと弾力が出ないため、参加者は雑談を交えながらも作業に没頭した。
生地を寝かせる30分の間に古波津主任が講演。「これから訪れる高齢化社会では、皆さんが元気でいることが一番」と笑顔で語りかけ、1年に1回は必ず健康診断を受けてほしいと訴えた。
生地を麺棒で伸ばす作業に四苦八苦する参加者
生地を麺棒で伸ばし、切り終えた参加者から順に麺をゆで、あらかじめ用意してあった出汁や豚角煮をトッピングして完成。
これらの事前準備と、一緒に食べるジューシー(炊き込みご飯)やサラダづくりは、田場博・総務課職員(栄養士・調理師)、伊波秀人・地域医療連携室職員が担当した。
全員で完成品を試食して終了。初めて麺づくりを体験した参加者も多く、笑顔で会話も弾んでいた。「社会貢献活動の一環であり、当院の魅力を知ってもらうための活動ではありますが、何より参加者の喜ぶ顔を見たいという思いで続けています」と、古波津主任は目を細めていた。