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2017年(平成29年)6月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1088 四面

長嶺・福岡徳洲会病院センター長
中国で人工膝関節置換術

「今後もアジア諸国で手術を予定」

「これからもアジア諸国に出向きます」と長嶺センター長 「これからもアジア諸国に出向きます」と長嶺センター長

福岡徳洲会病院の長嶺隆二・人工関節・リウマチ外科センター長は5月3日、中国・黒竜江省の延吉第二人民病院から招聘(しょうへい)を受け、現地で人工膝関節置換術を実施した。長嶺センター長は、長年にわたりアジア人の変形性膝関節症を研究。これに感銘を受けた同院の金舜・整形外科医師は、2016年9月に福岡病院で2日間の研修を受け、長嶺センター長の手術を見学、金医師が受け持つ患者さんについて相談をしたのが今回の手術のきっかけだ。

金医師が帰国後、長嶺センター長と陳維嘉・同センター医長は、電話やメールを通じて患者さんの所見やX線写真などをやり取りし、手術適応と判断。患者さんの状態を考え、中国を訪問し手術を実施することになった。

患者さんは55歳女性、重度のO脚による痛みで、スカートさえ自力ではけないのが悩みだった。O脚の矯正には人工膝関節を使用するが、現地にあったのは欧米人用にデザインした人工関節のみ。入国審査を考え日本から手術器具を持参しなかったが、現地では旧式の器具しかなく、手術環境も満足のいくものではなかった。

手術翌日に記念撮影。右から長嶺センター長、陳医長、金医師 手術翌日に記念撮影。右から長嶺センター長、陳医長、金医師

しかし、長嶺センター長は独自に考案した手術手技により、膝関節機能を最大限改善しつつO脚を矯正。患者さんは5月17日に退院し、現在、リハビリ中だ。

福岡病院はメディカルツーリズム(医療観光)を推進。中国人患者さんの受け入れが盛んだが、医療従事者の研修受け入れも積極的に行っており、これまで100人近い中国人医師が学んでいる。長嶺センター長は「アジア人の人工膝関節置換術は欧米式では対応できません。現在、アジア人向けの人工膝関節の開発に携わっています。また、これからも中国に限らず、アジア諸国での手術や研修に対応していく予定です」と意気軒高だ。

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