2017年(平成29年)6月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1086 三面
改正倫理指針を学ぶ
徳洲会グループ
臨床試験部会が会合
改正倫理指針の説明をする歌田部長
徳洲会グループ臨床試験部会は5月27日から2日間、責任者会議を開催した。
初日は人事紹介、2016年度の活動報告を行った後、未来医療研究センターの山路弘志社長が治験事業報告と今年度の目標、同センター臨床研究管理部の歌田直人部長が個人情報保護法の改正にともなう医学系研究に関する倫理指針の一部改正について説明した。
改正のポイントは、匿名化の定義の見直しとインフォームドコンセント(説明と同意)の手続きの厳格化。とくに個別同意が難しい研究ではオプトアウト(研究概要の開示により協力者が参加拒否を申告)の機会提供を実施し、研究ごとに詳細な情報開示文書(ポスターなど)の掲示が必要であると説いた。
現在、徳洲会が実施している臨床研究332件は改正倫理指針での対応が必要。このため6月に共同倫理審査委員会を開催し協議する。
グループディスカッションでは「人員確保」をテーマに議論した。治験の新規案件は年間60件程度だが、臨床研究の新規依頼件数は16年度226件となり、14年度の2倍以上に増加。このため治験だけでなく臨床研究の業務量増加などを数値化し、必要人員について検討していく。
2日目は部会運営について話し合った。各施設の治験センターから臨床試験センターへの部署名変更状況の報告、7月開設予定の同部会のホームページの紹介などがあった。また、同部会は理念を「我々は病院の良心であれ」と策定。実行方法として「臨床試験を通じて医療水準の向上をめざす」、「スケールメリットを活かして質の高い臨床試験を実施する」の2点を掲げた。
部会発足から10年が経ち、今年4月には10周年記念誌を刊行。清水悦子部会長は「厳しい倫理指針の下、改めてCRC(臨床試験コーディネーター)が治験や臨床研究をしっかりサポートしていきます」と決意を新たにしている。