徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

直言

Chokugen

尾﨑 勝彦(おざきかつひこ)(徳洲会インフォメーションシステム社長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

尾﨑 勝彦(おざきかつひこ)

徳洲会インフォメーションシステム社長

2017年(平成29年)6月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1086

時代環境に応じたIT化の実現
医療ビッグデータをどう生かす
患者さんに最善の医療を提供することが目標

徳洲会インフォメーションシステム(TIS)は2009年10月28日に設立され、7年半が経過しました。当初の目的であるグループ内の医療情報データの集約は、7年間で1000万人を超えるビッグデータになりました。医療情報だけではなく経営情報や人事情報などの集約化も進み、BIツール(日頃の診療から得られる膨大な情報を分析する運営管理システム)で見ていただけるメニューの幅も広がりました。国との医療情報データベース(MID-NET(ミッド-ネット))の構築も進み、18年には、大学、研究機関、製薬会社などで利用できるようになります。

徳洲会グループは「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」の実現に取り組んできましたが、今一度、「最善の医療を受けられる」という言葉の意味をかみ締める時期に来ていると思います。医療の質をどのように担保し、どのように最善を実行できるかが、まさに今、我々に課せられているのではないでしょうか。

AIが医療を変革する現代にデータを扱う人材育成が急務

TIS設立7年半の歩みは、まず2社(富士通社製とエス・エス・アイ社製)の電子カルテの統合から始まりました。情報システムやコードの統一などにより、1000万人を超える医療ビッグデータを蓄積できるインフラを整備・構築してきましたが、臨床データの活用に関しては疫学統計など数えるくらいしかありません。AI(人工知能)が医療を変革する現代、医療ビッグデータから疫学統計など臨床面で有益な情報を容易に抽出し、結果を出せるデータ構造の構築と、Medical Data Scientistの養成が不可欠となっています。グループ病院への電子カルテの導入は、ほぼ完了のめどが付き、我々の医療情報システムは、グループ外の病院と比較しても優れていると確信しています。

しかし、疫学統計やAIの活用に必要なデータの構造化、データの品質を高めるクリーニング、大量のデータから有用な情報を取り出すマイニングなど、それぞれの領域で人材を育成していかなければなりません。

まず今後3年間で、疫学統計やメディカルAIシステムのために最適化されたデータベースの構築と、これを担う人材育成を、未来に向けて準備することが重要です。

私が中学生だった頃、音楽の記録媒体はオープンリールのテープでした。しばらくするとカセットテープになり、デジタルデータが普及するとともにCD、MD、DVDはもちろん、パソコンも記録媒体として使われるようになりました。36年前に私がつくった徳洲会薬品管理プログラム(MEDITIS(メディティス)の原型)のデータ記録は、カセットテープでした。

最近ではHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)が普及していますが、サーバーストレージ(補助記憶装置の一種)ではSSDを連結し大規模化したAFA(All Flash Array/Storage)が記録媒体として注目を集めています。東芝は、より早く読み書きができるフラッシュメモリーを開発し販売していますが、経営不振により、同社が半導体技術を海外に身売りしてしまうことを懸念するニュースが流れるのも理解できます。

挑戦を繰り返す冒険者だけが未来に生き残ることができる

AFAが普及すると、ハードの世界ではメモリー(記憶)とストレージ(記録)が将来、一体化するかもしれません。変化は著しく速く、新しい技術製品を人口の50%以上が使うまでの年数は、自動車で80年以上かかりましたが、携帯電話はわずか10年。スマートフォンはもっと早く、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は社会環境さえ変える勢いです。

鈴木隆夫・徳洲会理事長は「挑戦を繰り返す冒険者だけが、次の世代に生き残る」と言っておられます。医療システムの世界では、ほとんどの医療機器がコンピューターで制御され、電子カルテに接続されています。莫大な医療情報の保管は、保管するストレージをますます大きくする一方、古いデータを消去することも求められます。

情報通信技術の進展は、医療現場に最新の情報を提供し、さらにAIによる支援で患者さんにとって最善の医療を提供することを可能にします。徳洲会グループ3万人余りの知恵を結集し、日々進化し続けなければなりません。皆で頑張りましょう。

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