徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2016年(平成28年)8月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1046 四面

四街道徳洲会病院
介護施設と交流会を初開催
12施設・事業所から36人参加

四街道徳洲会病院(千葉県)は8月6日、近隣の介護施設との交流会を初開催した。介護の知識や情報の共有、意見交換を通じて、より円滑な連携を図るのが狙い。介護系の12施設・事業所から36人が参加した。同院スタッフが講義を行った後、各施設・事業所が特徴を紹介するとともに課題などを話し合った。閉会後は希望者に対して病院見学も実施した。同院は今後も定期的に交流会を開く方針。

施設長や介護リーダーなど各施設のキーマンが多数参加 施設長や介護リーダーなど各施設のキーマンが多数参加

交流会は鈴木由美子・看護部長と荒木弘樹・事務長の挨拶でスタート。前半は四街道病院スタッフが講義を行った。リハビリテーション科の福大輔・言語聴覚士(ST)と救急外来の島田由美子・看護師長がそれぞれ講師を務めた。福STは「摂食・嚥下(えんげ)障害~安全な食事介助の方法」がテーマ。とくに車いすの利用者さんへの食事介助について要諦を示した。

最初に摂食・嚥下の仕組みを説明し、そのうえで摂食・嚥下障がい者に対する安全確保を食前、食事中、食後と3つの側面から解説。食前では、利用者さんの覚醒状態、食物形態・介助量・姿勢・環境の調整などが重要とし、食前30分~1時間前に起こすことや、両足を床またはフットレストに置くこと、テーブルの高さを考慮することなどを注意した。介助量については、介助の必要度(自力摂取、見守り、全介助)と適している人を一覧表で示した。

食事中ではスプーンの大きさや介助時の姿勢、ペース配分などが重要であるとし、利用者さんと目線が合う位置まで腰を下ろし、スプーンの上や器の中にある食べ物を見せ、斜め下から口に運ぶように指導した。

さらに、嚥下反射の確認にも言及。飲み込む時の反応を見たり、聞いたり、さわったりして確認するように促した。人の声や動きを最小限にするなど、リラックスして食事に集中できる環境づくりの重要性も説いた。

誤嚥予防の講義では実際に車いすを使って食事時の姿勢の重要性を学習(写真は仙骨座りがテーマ) 誤嚥予防の講義では実際に車いすを使って食事時の姿勢の重要性を学習(写真は仙骨座りがテーマ)

食後については、逆流防止として食後1時間は横にならないことや、口腔(こうくう)ケアを行うことなどをポイントに掲げた。

講義後、実地訓練も行い、参加者は3グループに分かれ、患者さん役と介助者役を1組ずつ選出。実際に車いすを使って①仙骨座り(車いすからずり落ちるような姿勢での摂食・嚥下)、② 頚部(けいぶ)伸展(顎(あご)が上がっている状態での摂食・嚥下)、③認知症・全盲の方(覚醒が不十分な方を含む)への対応(目を閉じて摂食・嚥下)──をテーマに食事介助を再現し、誤嚥(ごえん)のリスクの高さや利用者さんの不安、苦労などについて議論した。

最後に福STは安全な食事介助を行うには、かかわるすべての介助者が情報を共有する必要性を指摘。

「ある職種だけがかかわったり、職種間で共有している情報にバラツキがあったりすると、さまざまなリスクを回避することはできません」と強調した。

島田師長は「こんな時は救急車を呼びましょう」がテーマ。はじめに高齢者の特徴や加齢にともなう身体の変化を説明。高齢者は症状が現れにくい点や、認知症などで病状経過の聞き取りが困難な点を挙げ、「家族などから、いつもと何が違うかを明確にしていくことが重要」と指摘した。

身体の変化では、免疫系や神経系、消化器、呼吸器について特徴を簡単に紹介。高齢になると、感染症にかかっても発熱しないケースや痛覚が鈍化し診断が遅れるケースが見られることや、便秘や誤嚥が増えることなどを挙げた。

患者さんや利用者さんの変化を捉えるために、島田師長はふだん接するスタッフがきちんと観察し、訴えに耳を傾ける重要性を強調。第一印象で観るべきポイントや呼吸・循環・中枢神経の異常を見つけるために確認すべきポイントを示した。

島田師長は救急車を呼ぶ目安などをわかりやすく解説 島田師長は救急車を呼ぶ目安などをわかりやすく解説

最後に島田師長は夜間に比べ院内の体制が整っている日中のうちに受診することを推奨。「様子を見ている間に手遅れになることがあります」と早期の受診を訴えた。救急車を呼ぶ例も提示し、意識障害や突然の腹痛、吐き気・嘔吐(おうと)が見られる頭痛、冷や汗をともなう胸痛などを挙げた。

後半は意見交換を行い、参加者が自施設の特徴と課題を紹介。同院からは外科と内科病棟の各責任者、救急外来の看護師、相談員、通所リハビリテーション責任者、病診連携室職員、介護老人保健施設四街道徳洲苑施設職員ら地域の施設とかかわる機会が多いスタッフが各部署の取り組みなどを説明した。楠田智鶴子・副看護部長も駆け付け、救急の受け入れに関する院内のシステムを整備していることを強調した。

病院対する要望も散見。参加者から「救急を受け入れてもらえることはありがたい」、「救急搬送で施設職員やご家族が付き添った際、病院への引き継ぎなどで院内にとどまる時間がもう少し短くなると良い」など忌憚(きたん)のない意見が寄せられた。

会は2時間で終了。

「施設内で嚥下の勉強会を行っており、タイムリーだったので参加した」というサービス付き高齢者向け住宅の施設長は、「各施設の接点として良いイベントだと思いました。病院の敷居は高いと感じていたものですから」と笑顔。講義についても「とても勉強になりました。今後、当施設の各スタッフに落とし込んでいきたい」と話し、「胃瘻(いろう)や感染症などの具体的な対応について知りたい」と今後も継続を望んだ。

鈴木・看護部長は今年に入り連携施設を回るなかで今回のイベントを企画。「1~2月にかけて40カ所、6月に20カ所回りました。そのなかで、救急車を呼ぶタイミングがわからないといった声を聞いたため、講義の内容を設定しました」と振り返り、「病院の敷居が低くしたい」と、今後も2~3カ月に1回くらいのペースで開催する意欲を見せた。

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