徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

中川 秀光(なかがわひでみつ)(医療法人徳洲会常務理事 野崎徳洲会病院院長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

中川 秀光(なかがわひでみつ)

医療法人徳洲会常務理事 野崎徳洲会病院院長

2016年(平成28年)8月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1046

多くの方々の支援で附属研究所が完成
がん治療薬の研究8月末からスタート
伊藤和幸部長が研究指導者として所長に就任

7月末に野崎徳洲会病院附属研究所が完成しました。いよいよ8月末より研究がスタートします。言葉では言い表せないくらい感無量です。当院に私が入職してから10年が過ぎます。入職当初には院内に研究室を設置する話もありましたが、当時は実現には至りませんでした。私はノーベル物理学賞・化学賞受賞者マリ・キュリー夫人の「希望とは我々を成功に導く信仰です」の言葉を胸に秘め、それをずっと温めてきました。

徳洲会グループの問題がマスメディアに取り上げられ、グループの評価が落ちることで逆に研究所設立の夢はさらにふくらみました。当時、患者さんからの冷たい言葉に傷つき、また、私は大阪府医師会医事紛争特別委員会の主任として20年近い活動を続けていますが、医師会の先生方との話のなかで、徳洲会に対する理解のなさに啞然(あぜん)とし、悔しい思いに駆られることがしばしばありました。しかし、いつか世間から、医療に貢献している徳洲会に対する正しい評価を得たいという思いから、私には徳洲会を離れるという考えは、みじんもありませんでした。

最終的には長年、友であり、また私の研究の指導者であった伊藤和幸先生の研究所長就任(内科部長兼任)が決定してから計画は一気に前進しました。伊藤先生は、分子標的治療薬の開発の第一人者です。

研究所の設立に関しては、鈴木隆夫理事長をはじめ幹部の皆様は大変悩まれたことと推察しますが、その英断と、設立許可に際しての岸和田徳洲会病院の東上震一(しんいち)院長、八尾徳洲会総合病院の福田貢(こう)総長などの助け、またご寄付を申し出ていただいた方など、あらゆる方々のご厚意もあって実現に至りました。鈴木理事長の「徳洲会は不可能を可能にしてきたグループ」という前向きの言葉が証明されたと思っています。改めて心から感謝の意を表したいと思います。

仲間とともにつくった過程に価値があることを改めて実感

私にとって研究所の完成は重要なことでしたが、それよりも重要なことは完成までの過程でした。前述の先生方のご援助以外にも、私を支え続けてくれた事務部長や事務次長のサポートはかけがいのないものでした。ソロ・アルピニストの栗城史多(くりきのぶかず)さんの言葉「結果だけの成功に価値はない。仲間とともにつくってきた過程にこそ価値がある」は、まさにそのとおりでした。

きっと私の耳には届かない問題が多々あったと推察しますが、ひと言も否定的なことは言わずに私の希望に添って努力してくれました。仕事仲間の存在は、素晴らしい収穫でした。困難も何のその、つねに前を向いて病院の発展に向かうことができると感じています。

できたての真新しい研究所内を歩いて見回すと、ジワーッと湧いてくるような感激があります。いろいろな思いとともに、研究所という不採算部門をいかに運営し、当院の将来に寄与させていくかを考えると、喜んでばかりいられません。一転して、これが精神的負担になってくる感覚を体全体で感じています。

現実的には病院は厳しい状況ですが、客観的に現状を分析し、またこれを学びの機会と捉え、先を見据え今を生きていかねばなりませんから、落ち込んでばかりいられません。すでに対策を講じており、克服できると確信しています。武士道を説いた新渡戸稲造(にとべいなぞう)の言葉にある「逆境にある人は常に『もう少しだ』と思って進むがよい。いずれの日か、前途に光明を望むことを疑わない」を信じて進みたいと思います。

若き医師の研究心を呼び起こし医療の発展に貢献

この研究所がどのように医学に、また徳洲会全体に貢献できるのか。今後が楽しみですが、近い将来、がんをはじめとする研究領域での徳洲会の名前が抵抗なく受け入れられ、若き医師の研究心を呼び起こし、医療の発展に貢献し、徳洲会が名実ともに賞賛される日が来ることを信じています。

それは研究に携わる者の努力のみならず病院の皆の努力にかかってきます。また徳洲会グループの皆様のご協力、ご支援が必要なことは言うまでもありません。職員一同、意をひとつにして頑張っていきたいと思います。地球物理学者で東京大学名誉教授、科学雑誌『Newton』初代編集長の竹内均(たけうちひとし)氏の「休息なんて、あの世に行けば誰でもできるではないか」をモットーにしていく所存です。

皆で頑張りましょう。

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