徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

消化器内科の病気:虚血性腸炎

循環障害で粘膜に壊死や潰瘍をきたす

大腸の可逆性の循環障害により、粘膜に区域性の変性や壊死、潰瘍をきたす疾患です。発症には、便秘による腸管内圧の上昇や動脈硬化に伴う循環障害などが関与していると推測されます。症状から診断できる数少ない疾患の一つです。
主訴は、血便で受診されることが多いです。問診では、便秘傾向の方(稀に、日ごろ便秘ではない人でも発症する)が突然の激しい腹痛の後(脂汗をかくほどつらかったということ多い)、硬い便が出て、その後下痢便となり、徐々に血便へと変化します。腹痛、下痢、血便という順序が問診上は重要です。
好発年齢は、高齢者が多いといわれていますが、若年者の発症も少なくありません。発熱はほとんどなく、左下腹部に軽い圧痛を認めることが多いです。

内視鏡検査は必要だが挿入が難しいケースも

初期の診断には、腹部エコーが有効で、腹部エコーにより、S状結腸の壁肥厚を認めることが多いです。下部消化管内視鏡検査では、急性期には結腸紐に沿った縦走潰瘍やびらんを認め(結腸紐に一致して、3条の帯状の潰瘍が典型的です)、主病変の周囲に発赤や潰瘍の間の健常粘膜に浮腫がみられます。病変は区域性で健常部との境界は明瞭です。
虚血性腸炎の方は、病態から便が通りにくいだけあって、下部消化管内視鏡の際に、S状結腸がやや長く、屈曲が強く、挿入が難しいケースが多い傾向にあります。癒着や大腸が長いだけのことも多いですが、大きなポリープや大腸がんが隠れていることも多いため、1度は下部消化管内視鏡の検査を行う必要があります。

壊疽型および狭窄型は外科手術が必要

下部消化管内視鏡の普及により、軽症で診断されることも多くなっています。病状経過から、一過性と狭窄型、壊疽型に分類されます。一過性が大半を占めて、壊疽型は稀です。

一過性型
一過性型は、1~2週間程度で、発赤と潰瘍瘢痕を残す程度に改善します。しかし、狭窄型では潰瘍治癒が遷延し、狭窄を伴うこともあります。狭窄型は、1カ月後も腹部エコーで、浮腫が認められることが多いです。臨床的に通過障害が出現したら、手術も考慮されます。
壊疽型
壊疽型は稀ですが、発症初期より腹膜刺激症状が認められます。高齢で、動脈硬化を有する疾患が基礎になっていることが多く、また腹部手術歴のある患者さんに多いです。

治療は、一過性型は対症療法のみで治癒しますが、壊疽型および腸閉塞症状を伴う狭窄型は 外科手術の適応になります。再発を予防するには、便通習慣の改善に努めることが大切です。

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