徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

消化器内科の病気:ヘリコバクター・ピロリ菌

慢性胃炎への除菌療法にも保険適応

ヘリコバクター・ピロリ菌は1983年に発見されて以来、さまざまな病気の原因となることがわかっています。日本ヘリコバクター学会は、すべてのピロリ菌感染者に対して除菌を行うことを強く推奨しています。胃がんを始めとするピロリ菌に関連したさまざまな病気の治療や予防に役立つためです。 数年前まで除菌療法は、

  1. 胃十二指腸潰瘍
  2. 早期胃がんの内視鏡治療後
  3. 胃MALTリンパ腫
  4. 血小板減少性紫斑病

の4つの病気に限られていました。
2013年2月末から慢性胃炎に対する除菌療法にも保険診療が適応となりました。ただし、胃がんの有無や胃炎の程度を評価するために除菌前に胃カメラを行うことが必要です。

悪化すると腸の細胞に変質するピロリ菌感染胃炎

日本人の約半数がピロリ菌に感染しているとされますが、衛生環境の改善で若年者の感染率は急激に低下しており、感染率が高いのは50歳以降の中高年です。しかし新規の感染がなくなったわけではありません。 多くは幼少期に菌が胃粘膜に感染し炎症(胃炎)を引き起こします。感染は生涯にわたり持続することが多く、炎症の結果として胃粘膜の胃酸を分泌する胃底腺を中心に“萎縮”してきます。中高年になると萎縮は感染者の半数にみられます。萎縮が高度になると、ついには胃の粘膜が腸の細胞に置き変わってしまいます。これらの変化は胃がんの素地と考えられています。

ピロリ菌の感染診断について

どの検査も100%の精度があるわけではないため、必要に応じて①抗体法(尿・血液)、 ②便中抗原(便)、 ③尿素呼気試験(専用の錠剤を内服し呼気中に含まれる成分を分析)、 ④迅速ウレアーゼ法、⑤組織鏡検法、⑥培養法(胃カメラ)の検査を組み合わせて実施します。

胃酸抑制剤と抗生物質で除菌治療

除菌療法は以下の手順で行われます。

  1. 胃酸抑制薬と2種類の抗生物質を7日間連続で内服します。主な副作用には、腹痛、下痢、味覚異常、肝機能障害などがあります。薬の飲み合わせの確認のために担当医に現在内服している薬を伝えてください。
  2. 治療後2カ月以上の期間をおいて、除菌に成功したかの判定を行います。
  3. 90%以上成功しますが、失敗であれば二次除菌を行います。

除菌後も定期的に胃カメラを

除菌後も胃がんになる可能性はゼロではありません。 胃がんの99%はピロリ菌感染者から発生し、除菌治療によって胃がんの発生が3分の1に減少することがわかっています。しかし除菌に成功した人も未感染者と比較すると、胃がんになる危険性は約50倍あります。早期発見のために胃カメラを定期的に行う必要があります。

PAGE TOP

PAGE TOP