徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

消化器内科の病気:潰瘍性大腸炎

若い人に多いが中高年でも増加

大腸に炎症が起きることで、大腸表面の粘膜が赤くはれて、ただれたり(びらん)、掘れたり(潰瘍)する状態となり、腹痛や下痢・下血が起きる病気です。主に若い方に発症することが多いものの、最近は中高年で発症する方も増えてきています。

主症状は腹痛、下痢、下血

遺伝的になりやすい方が、過労や寝不足、食事抗原、感染症などの免疫に負担がかかる状態が重なり発症すると考えられていますが、明確な原因は不明です。
腹痛、下痢、下血が主な症状ですが、症状が強くなると、発熱、動悸、倦怠感が出現します。また口内炎や関節痛、皮膚の炎症なども現れる場合があります。下痢や下血などがある時期を活動期、これらの症状がなくなり内視鏡的にも炎症がなくなれば寛解期になります。

直腸から大腸までの炎症

いつどのように発症し、現在の症状がどうなのかといった臨床症状が重要ですが、確定診断のためには、採血、便培養、大腸内視鏡検査(生検病理検査を含む)などが必要です。基本的に直腸から連続した大腸の炎症がみられますが、直腸だけの方(直腸炎型)もいれば、直腸からS状結腸、下行結腸までの方(左側大腸炎型)、直腸から全部の大腸(全大腸炎型)に炎症が起きる方もいます(図1)。


図 潰瘍性大腸炎のタイプ
「潰瘍性大腸炎の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識 第2版(難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班))から引用」

薬で収まらない場合は外科治療を考慮

軽症から中等症の場合には、5-アミノサリチル酸製剤(ペンタサ、アサコール、リアルダ)による内服あるいは坐剤・注腸製剤の治療を行います。多くの潰瘍性大腸炎は5-アミノサリチル酸製剤をうまく使うことにより炎症がコントロールされます。しかし効果が乏しい場合には、ステロイド剤内服・坐剤・注腸あるいは白血球成分除去療法を行います。
それでも炎症が治まらない場合には、生物学的製剤(レミケード、ヒュミラなど)や免疫調整剤(タクロリムス、シクロスポリン)などで強力に炎症を抑えます。
もし繰り返し再燃する場合には、主に維持治療に使用する免疫調節剤であるチオプリン製剤(イムラン、アザニン、ロイケリン)を使う場合もあります。これらの内科治療で炎症が収まらない場合、あるいは大量の下血や炎症が強くて大腸に孔があいてしまう(穿孔)場合、あるいは大腸がんが合併する場合には外科治療を行う場合があります。


図 潰瘍性大腸炎の治療
「潰瘍性大腸炎の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識 第2版(難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班))から引用」

自己判断による薬の減量・中断は再燃のもと

治療によりいったん症状がよくなっても、再び大腸に炎症がぶり返す(再燃)場合がありますので、再燃を予防する治療も一定期間続けることが大切です。
内科治療により症状がよくなっても大腸の炎症が治るのには数カ月の時間がかかります。その途中で勝手に薬を減らしてしまうと再燃しやすくなりますので、主治医によく相談してから減量や中止を検討しましょう。場合によっては再燃予防および大腸がんの予防のためにも当面は5-アミノサリチル酸製剤の内服継続がよいと考えられています。

腸に刺激の少ない食事を心がける

下痢や下血などの症状がある時期には、腸管を刺激しない食事が必要ですが、症状が改善し内視鏡や生検病理検査でも炎症が収まっている場合には食事制限はなくなります。

参考資料
潰瘍性大腸炎の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識 第2版 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)(厚労省「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班ホームページ 患者さん・家族情報(http://ibdjapan。org/patient/))

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