徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

消化器内科の病気:クローン病

発症の低年齢化進む

クローン病では、口から肛門までどこの消化管でも炎症を起こしますが、主に小腸と大腸に炎症が生じることが多く、点々と離れた部位にはれやただれ(びらん・潰瘍)が生じます。腸管の軸に沿った縦に長い潰瘍(縦走潰瘍)ができやすく、潰瘍が治るときに引きつれて治るために狭く(狭窄)なりやすいのが特徴です。20歳前後の若い方に発症のピークがありますが、最近はもっと低年齢化して小中学生でも発症をみることがあります。症状がわかりにくくクローン病と診断されずに長期間たってからやっと診断される場合もあります。

口内炎や皮膚の炎症、関節痛を伴うことも

遺伝的になりやすい方が、過労や寝不足、食事抗原、感染症などの免疫に負担がかかる状態が重なり発症すると考えられていますが、明確な原因は不明です。 腹痛や下痢、発熱、稀に下血などの、通常の感染性腸炎と区別がつきにくい症状が中心ですが、症状が長く続くあるいは繰り返し症状が出現することでクローン病が疑われます。また痔瘻や肛門周囲膿瘍で気がつくことも多く、口内炎や皮膚の炎症、関節痛などの症状も伴う場合があります。

炎症の場所によって3つに分類

消化管の至るところに炎症が起きるため、上部内視鏡で食道・胃・十二指腸を、大腸内視鏡検査で大腸や小腸の出口付近を観察してびらんや縦走潰瘍の確認、あるいは生検病理での検査からクローン病を診断します。小腸の検査は、バリウムを用いた造影検査が以前から行われていますが、病院によって最近は小腸カプセル内視鏡、バルーンアシスト小腸内視鏡、CTやMRIによる診断ができるようになりつつあります。主な炎症の場所で小腸主体の小腸型、小腸と大腸にまたがる小腸大腸型、大腸主体の大腸型に分類されます(図1)。

図1 クローン病の分類

根治には継続的な内科治療が必要

5-アミノサリチル酸製剤(ペンタサ)と成分栄養療法が基本になります。最近は新しいステロイド剤であるブデソニド(ゼンタコートカプセル)内服も保険適応になりました。それらの治療で効果がない場合や炎症が非常に強い場合、あるいは若年であったり、肛門病変などの炎症が強かったりするなど、病勢が強く狭窄や瘻孔などの腸管のダメージが起きやすい場合には、生物学的製剤(レミケード、ヒュミラなど)を比較的早い段階で開始することもあります。また免疫調節剤であるチオプリン製剤(イムラン、アザニン、ロイケリン)を併用することもあります。 狭窄がある場合には、条件がよければ内視鏡的にバルーンで広げる拡張術を行うことができますが、内科治療で困難な場合には外科治療により治療することがあります。ただしクローン病は外科治療では根治できないので、手術後も引き続き内科治療を継続する必要があります。

図2 クローン病の治療

治療効果は客観的な検査で判断

炎症が落ち着くのには数年かかりますが、その間に炎症がコントロールしにくい場合には、再燃、狭窄、瘻孔形成などの腸管ダメージが進行してしまう場合があります。炎症が進まないために、しっかりと治療を継続することが求められます。 自覚症状がわかりにくいために診断が遅れることや、治療途中で判断しにくいことがありますので注意が必要です。主治医とよく相談して治療効果は客観的な検査で判断しましょう。

腸に負担のかからない食事が基本

腸管に負担がかからない食事にすることにより症状が出にくくなることが期待できます。ただし、極端に制限して栄養不足にならないようにすることも大切です。狭窄がすでにある場合には繊維の少ないものを選び、1回の食事量を多くしないなどの工夫で腸閉塞など通過障害を予防できることがあります。詳しくは栄養相談を受けて自分の病状にあった食事を選びましょう。
参考資料
クローン病の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識 第2版 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)(厚労省「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班ホームページ 患者さん・家族情報( http://ibdjapan.org/patient/ )

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