徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2021年(令和3年)9月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1306 三面
グループワークで話し合った内容を代表者が発表
参加者一人ひとりが翌日からできることを考える
講師には兵庫県立尼崎総合医療センターの米田愛・家族支援専門看護師、石井あや美・集中ケア認定看護師、兵庫県立こども病院の浅井桃子・家族支援専門看護師の3人を招聘(しょうへい)。中村美津・看護部長と竹田洋樹・副院長は「第4波が落ち着いたのを機に、改めて家族看護について考えたいと思いました。同時に、スタッフへのグリーフケア(深い悲しみから立ち直らせるサポート)の意味合いもあります」と説明。
座学は「家族看護のニュー・ノーマル」がテーマ。コロナ禍で家族が患者さんに会うことができないなか、命にかかわる意思決定を余儀なくされ、家族を失うかもしれない恐怖にさいなまれている現状を共有。さらに医療者の体験では、尼崎総合医療センターと神戸病院の看護師が、それぞれ事例を発表した。
続くグループワークは「明日から取り組める方法とは?」がテーマ。これまで行ってきたケアで良かったこと、これから意識しようと思うことなどを話し合い、グループごとに発表。最後に「ご家族の価値観、患者さんの家族内での役割を知ること、医療者間でご家族のことや目標を共有することなどが大切」と総括。
参加者からは「自分だけでなく、皆同じような気持ちで働いていることがわかった」、「患者さんの状態を知りたくても遠慮しているご家族がいるかもしれないと、いろいろな可能性を考える必要がある」、「コロナ病棟だけでなく、院内面会禁止のため、全病棟が考えるテーマだと思った」など感想が聞かれた。
また、今後の目標として「連絡をする時に患者さん、ご家族がどういう感情でいるのか、ただ業務的にならず、ご本人の意志を尊重したかかわりができたら良いと思う」、「積極的にご家族とコミュニケーションを取っていきたい」、「自分たちは聴くこと、伝えることが求められていると思う」などが挙がった。
研修を終え中村・看護部長は「それぞれに響くものがあり良かったと思います。今後、患者さんのご家族には、医師からの説明を聞き終えた後に、看護師も面談をして不安を取り除いていきたい」と抱負を語っていた。