2020年(令和2年)11月9日 月曜日 徳洲新聞 NO.1261 二面
湘南鎌倉病院
岩本・看護副主任が学会賞
排尿管理の現状調査を実施
日本老年泌尿器科学会
学会賞の賞状を手にする岩本副主任
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の岩本沙織・看護副主任は、第33回日本老年泌尿器科学会で学会賞を受賞した。同賞は、医師部門とコメディカル部門で計4演題に授与された。
同院排尿ケアチーム専任看護師の岩本副主任は、急性期病院からの転院先である回復期・慢性期病院の排尿管理の現状を調べるためアンケート調査を実施し、ポスター発表した。対象は県内すべての回復期・慢性期病院で、計187病院・271病棟(回収率は40・6%)。
その結果、尿道カテーテル抜去の判断は、主治医や看護師が行う病棟が多く、マニュアルにより判断する病棟は少なかった。尿道カテーテル留置患者さんの割合、尿道カテーテル挿入手技の実施者、おむつ使用率、排尿に関する相談体制なども調べた。
「非常勤を含めれば、6割以上の病棟で泌尿器科医への相談が可能であることがわかりました。マニュアルを整備することで、抜去の可能性がさらに高くなると考えられます」とまとめた。
同院泌尿器科の三浦一郎部長は「2017年に当院排尿ケアチームが発足して以降、着実に活動したことによる成果のひとつで、日々の疑問から生まれた全国的にも貴重な調査だと思います」と受賞を喜んでいる。岩本副主任は「連携先の回復期や慢性期病院の状況を理解し、地域連携体制の強化と継続的な排尿ケアを目指し、今後も取り組んでいきたい」と意気軒高だ。