徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)8月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1250 二面

認知症対応 地域に着々と浸透
山形病院 物忘れ外来開設や治験も

山形徳洲会病院が注力する認知症の治療や予防が少しずつ地域に浸透している。2006年から本格的に取り組み、外来や検診を実施。患者さんや利用者さんの数を伸ばすかたわら、近年は治験も手がけ、現在5つを同時に実施している。

物忘れ外来で対応する天笠副院長物忘れ外来で対応する天笠副院長

山形病院が認知症に本格的に取り組むようになったのは06年。脳神経外科専門医の天笠雅春副院長が入職し、同年に物忘れ外来を開設した。主に軽度から中等度の認知症患者さんの治療を手がけるかたわら、「物忘れ予防ドック」も期間を設けるかたちで開始し、予防にも注力している。

当初、物忘れ外来は曜日を限定していたが、地域のニーズが高く、患者さんの増加にともない1週間当たりの実施日を増加。現在は毎日行い、1日に約10人の患者さんが訪れる。「当地域も年々、高齢者が増え認知症に関するニーズが高まっています。予防や早期発見・早期治療が重要ですから、毎日行うようにしました」(天笠副院長)。

そうした考えの下、6年ほど前から治験にも着手。現在、アルツハイマー型認知症の治療薬に関する治験を5つ手がけている。治療の対象は高度、軽度~中等度、MCI(認知症の一歩手前)〜軽度で、用いる薬も貼付剤や点滴薬、皮下注射薬などさまざまだ。以前には早期のアルツハイマー型認知症を対象とした『アデュカヌマブ』を用いた治験にも参加した。

同治療薬はアルツハイマー型認知症の原因にアミロイドβ(タンパク質の一種)の脳内蓄積が関係しているという仮説の下、米国のバイオジェン社が開発している薬。アミロイドβの増殖を止め、さらに脳内に蓄積したアミロイドβそのものを減少させる効果が期待されており、7月にFDA(米食品医薬品局)への承認申請が完了したことを同社が発表した。FDAに承認されれば初の根治薬となり、国内外で注目を集めている。

手がける治験について協議(右が志済CRC)手がける治験について協議(右が志済CRC)

これら認知症に関する治験について、志済美樹・治験コーディネーター(CRC)は「基準に合致せず治験薬投与に至らないケースが少なくありません。なかなか目標症例数に達しないことが多いのですが、幸い当院では近隣の自動車教習所との連携、医療講演などの活動で治験を希望される方が増えてきています。現在、新たに参加者を募集している治験はひとつのみと、順調に進んでいます」と説明する。また、院内外の居宅介護支援事業所、デイサービス、MSW(医療ソーシャルワーカー)と密な連携も図るなど、認知症患者さんと家族をサポートする体制づくりに余念がない。

今後も天笠副院長は外来などを通じて目の前の認知症患者さんに対応するとともに、治験をとおして治療に関する新たな可能性にも取り組む意向。志済CRCは「治療や治験など認知症について何かご相談があれば、当院にご連絡ください」と呼びかけている。

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