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Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)6月15日 月曜日 徳洲新聞 NO.1240 三面

湘南鎌倉病院
栄養指導きめ細かく 脳卒中で独自の調査用紙

秋元・管理栄養士は食品サンプルと調査用紙を用い食習慣の改善をアドバイス秋元・管理栄養士は食品サンプルと調査用紙を用い食習慣の改善をアドバイス

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は脳卒中診療科(脳血管内外科)の入院患者さんを対象に、きめの細かい栄養指導を実施。脳梗塞や脳出血の原因のひとつになり得る動脈硬化・高血圧の改善・予防を促している。具体的に「食事内容調査用紙」を用い入院前の食習慣の状況を把握、そのうえで入院中に栄養指導を行う。同用紙は森貴久・脳卒中診療科顧問が同科所属の管理栄養士とともに作成したもので、49にわたる質問事項を設定。これを入院前に患者さんや家族などに記入してもらう。

とくに森顧問らが注目しているのが脂質の量や質だ。秋元玲奈・管理栄養士は「脂質異常は脳卒中の危険因子のひとつですが、通常の栄養指導では細かくヒアリングする時間的な余裕がありません」と指摘。「日本人は青魚の油やオリーブオイルなど中性脂肪の抑制や動脈硬化の予防に効果がある油(オメガ3系・6系・9系多価不飽和脂肪酸)の摂取量が少ないと言われ、これを明らかにするためにも用紙を作成しました」と説明。

食事内容調査用紙は味付けから使用している調味料のメーカーまで、きめ細かい質問が並ぶ食事内容調査用紙は味付けから使用している調味料のメーカーまで、きめ細かい質問が並ぶ

これまで実施した調査結果から、①揚げ物の摂取頻度が週に2回以上でLDLコレステロールが有意に上昇する、②青魚や海藻類に多く含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸の摂取量が少ないとLDLコレステロールが上昇する可能性がある――といった傾向などが判明。これらに基づき栄養指導を行う。「酸化した油など質が悪ければ、摂取量が少なくても動脈硬化が進むことも考えられます。今後もきめ細かく情報収集し、脳卒中との関連を調べながら根拠に基づく栄養指導を心がけたい」と秋元・管理栄養士。

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