徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(令和元年)12月2日 月曜日 徳洲新聞 NO.1213 四面

徳洲会グループ 論文・学会で受賞多数
医療の質向上へ学術活動推進

徳洲会グループは医療の質の向上を図り患者さんに貢献するため、臨床、教育、学術・研究の各分野の取り組みに力を注いでいる。今年も医療系の学会や医学ジャーナルで多数の演題・論文を発表した。それらのなかには高い評価を受けて注目を浴び、表彰されたケースも多々あった。今号から4回にわたって掲載する徳洲会グループの今年1年を振り返る「回顧この1年」。第1弾は今年報じたニュースの中から徳洲会グループの学術・研究活動に着目し、受賞事例を中心に紹介する。

回顧この一年 ①

授賞式で記念の盾を受け取る中川院長(左)授賞式で記念の盾を受け取る中川院長(左)

徳洲会グループは医療安全・質の向上を目的として2017年にピアレビューを導入。その取り組みをまとめた論文が高評価を受けた。徳洲会版ピアレビューは、合併症や輸血の有無、再入院率など評価項目を設け、一定の基準に基づきポイント化。徳洲会グループのベンチマーク(指標)と比較し、各病院の潜在的な課題を顕在化することに主眼を置いている。

徳洲会ピアレビュー実行委員会の事務局長を務める野崎徳洲会病院(大阪府)の中川秀光院長がまとめた「徳洲会病院グループにおけるピアレビューの試み」と題する論文が、全日本病院学会誌の優秀論文賞を受賞。9月に開かれた第61回同学会で授賞式が行われた。

日本高齢消化器病学会の第3回優秀論文賞を受賞したのは、東京西徳洲会病院の山本龍一・肝胆膵(すい)内科部長兼内視鏡センター長兼消化器病センター長。論文テーマは「高齢者の総胆管結石症に対する内視鏡治療の検討」で、80歳以上の高齢の総胆管結石患者さんに対する内視鏡治療の有効性と安全性について検証を行った。

また第46回日本集中治療医学会学術集会(3月開催)で、名古屋徳洲会総合病院の大城規和医長(現・大垣徳洲会病院心臓血管外科部長)が口演した「当院における心原性ショックを伴う重症心不全に対する新たな治療戦略」が優秀演題に選定。インペラ(カテーテル型左心室補助装置)の使用例について報告した。

末梢(まっしょう)血管内治療の学術集会であるJET2019(2月開催)では岸和田徳洲会病院(大阪府)の森下優・循環器内科医師(当時)が一般演題で最優秀賞を受賞。深部静脈血栓症(DVT)をテーマに発表した。

徳洲会肺がんキャンサーボードは複数病院を結んで検討(写真は宇治病院)徳洲会肺がんキャンサーボードは複数病院を結んで検討(写真は宇治病院)
粘膜下層と筋層の境界がより明瞭になるUESD粘膜下層と筋層の境界がより明瞭になるUESD

初期研修医や専攻医も表彰を受けた。「医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ2019名古屋」(4月開催)で、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の小山瑛司専攻医と井原一樹・初期研修医のふたりが優秀演題賞を受賞。小山専攻医は悪性リンパ腫、井原・初期研修医は血流感染症をテーマに発表した。

他職種も学会で高い評価を受けた。中部徳洲会病院(沖縄県)の池村昭仁・臨床工学技士(CE)が、6月に開かれた第16回日本臨床高気圧酸素・潜水医学会学術集会/第54回日本高気圧環境・潜水医学会学術総会合同学術集会2019で、最優秀演題に選ばれた。院内でCEを対象に実施している高気圧酸素治療(HBO)に関する訓練の内容や参加者へのアンケート結果などを報告した。

また、福岡徳洲会病院の田中愛矢菜・臨床試験センター職員(治験コーディネーター=CRC)が、9月に開催された第19回CRCと臨床試験のあり方を考える会議で、「被験者のソーシャルメディア利用について考える」をテーマに発表、優秀演題に選ばれた。

海外ジャーナルも評価

ネラトンアタッチメントをシースに装着すると滑らず操作が容易にネラトンアタッチメントをシースに装着すると滑らず操作が容易に

海外の著名なジャーナルに投稿、掲載された論文が、月間で最も閲覧され、国際的に注目を集めたこともあった。徳洲会呼吸器部会が中心となって17年4月に立ち上げた「徳洲会肺がんキャンサーボード」の取り組みや、その成果をまとめた論文だ。キャンサーボードは複数の診療科の医師や多職種が参加し、がん患者さんの最適な治療方針を決定する会議をいう。

掲載されたのは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が発行する『JCO CCI』という著名なオンラインジャーナル。19年4月に最も閲覧された論文となった。筆頭著者は、宇治徳洲会病院(京都府)の竹田隆之・呼吸器内科部長(現・京都第二赤十字病院呼吸器内科部長)。論文タイトル(日本語訳)は「セキュリティの高い通信回線で日本の8施設の総合病院をつないで運営する集学的な肺がんキャンサーボード」。

海外ジャーナルへの掲載に関しては、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)肝胆膵・消化器病センター・内視鏡内科の永田充部長(兼内視鏡センター副室長)が執筆した十二指腸内を生理食塩水で満たしてESD(内視鏡的粘膜下層剝離(はくり)術)を施行する「十二指腸腫瘍に対するUnderwater ESD(UESD)」に関する論文と解説動画が『Video GIE』に掲載された。

また、東京西病院の山本センター長は、胆道鏡のスパイグラスDSを用いて肝内結石を破砕した症例動画を『Endoscopy』の動画投稿部門である「Endosco py E-Videos」に投稿、掲載された。

ESDをより迅速かつ正確に行えるネラトンアタッチメントというデバイス(器具)を考案した武蔵野徳洲会病院(東京都)の吉本泰治・消化器内科部長は、オープンジャーナルである『Endoscopy International Open(EIO)』に論文が掲載された。使用群と非使用群を後ろ向きに比較検討し、有意に手術時間が短いことを明らかにした。

研究内容を示すイメージ図が海外著名ジャーナルの表紙に研究内容を示すイメージ 図が海外著名ジャーナルの表紙に

札幌東徳洲会病院医学研究所の水上裕輔・がん研究部部門長(旭川医科大学内科学講座消化器・⾎液腫瘍制御内科学分野准教授)が統括した膵がんの多施設共同研究に関する論文は、米国消化器病学会『Gastroenterology』誌(19年2月号)に掲載。研究内容を表すイメージ図が同誌の表紙を飾るとともに、“ 今月の注目記事(Issue Highlights)” にも選ばれた。

近い将来、医療現場でのAI(人工知能)技術の実用化が見込まれている。患者さんのため先端技術を積極的に取り入れてきた徳洲会グループはAIの研究も推進。一般社団法人徳洲会は、AI画像診断の共同研究や検体検査工程の完全自動化などに関して、シーメンスヘルスケアとパートナーシップ(共同事業)契約を締結。2月に共同記者会見を開いた。

研究に関しては、離島病院ならではの成果も見られた。徳之島徳洲会病院(鹿児島県)の藤田安彦院長らは「奄美群島に在住する長寿の島民の腸内細菌叢そうと健康状態の関係」をテーマに臨床研究を行い、奄美長寿者がもつ腸内細菌叢の特徴を突き止めた。この研究成果を第19回日本抗加齢医学会総会(6月開催)、第23回腸内細菌学会(6月開催)でそれぞれ発表。奄美長寿者を対象にした腸内細菌叢の研究は初めてで、参加者から大きな注目を集めた。

長年の功績が認められたケースもあった。湘南鎌倉病院の齋藤滋・総長兼循環器科主任部長は、インターベンション治療(カテーテルを用いた治療)を行う医師として最も栄誉あるGeoffrey O.Hartzler Master ClinicalOperator Award( ハツラー記念カテーテル治療名人賞)を9月に米国の心臓血管研究財団(CRF)から受賞。先に同領域に関する欧州最高峰の賞も受賞しており、ダブル受賞は日本人で初めての快挙となった。

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