2019年(令和元年)8月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1198 四面
ACLS運動会開催 松原病院
急変対応の質向上へ
グループ間で競いながら二次救命処置の技術を向上
松原徳洲会病院(大阪府)は患者さんの急変対応の質向上を目的として、“ACLS運動会”を開催した。
ACLS(Advan ced Cardiovascular Life Support)は二次救命処置で気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸などCPR(心肺蘇生法)の基本から、気管挿管、換気に加え、心電図モニターや除細動器などを用いた高度な救命処置を指す。循環器の治療後に心停止した患者さんを想定した実技を行い、適切に対処できたかどうかを点数化し、競いながら技術の向上・定着を図った。
同院看護部が企画し勤務3年目以上の看護師を対象に実施。毎年、全職員を対象にBLS(一次救命処置)研修を開催しており、1〜2年目の看護師は同研修を受講している。
企画・運営に携わった小幡利恵・看護主任(救急看護認定看護師)と西村浩一・看護副主任(同)は、「当院は急性期医療を柱のひとつにしていることから、どの診療科も入院患者さんの重症度は高く、急変リスクのある患者さんが入院しています。患者さんの異変を発見する確率の高い看護師は、ACLSを理解し実践できることが求められると思います。しかし全体的に技術面は、まだ十分でない看護師も多いのが現実であり、急変対応の質の底上げを図るために開催しました」と経緯を説明する。
今年度上半期に3回開催し計43人が参加。下半期も3回開き、残りの対象者約50人が受講予定だ。
PCI(経皮的冠動脈形成術)を受けるため一泊入院した患者さんが治療後、病棟で急変(心停止)したことを想定し、シミュレーション用の人形を用いて、二次救命処置のアルゴリズム(手順)に沿った対応ができるか実践。グループごとにタイムを計りながら、メンバーが役割に応じた行動ができたか、一つひとつの処置を点数化して評価を行い、順位を付けた。実施後には振り返りの時間を設け、知識・技術の定着を図った。
小幡・看護主任は「結果をふまえ看護部全体のスキルアップにつなげていきたい」と意欲的だ。