徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(令和元年)5月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1185 三面

日本ハンドセラピィ学会開催
大会長に越後・札幌病院OT
日本手外科学会では4題発表

第31回日本ハンドセラピィ学会学術集会が4月19日から2日間、北海道で開かれ、札幌徳洲会病院の越後歩・外傷センター作業療法士(OT)が大会長を務めた。療法士、医師を含め全国から530人が参加。教育講演では湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の土田芳彦・外傷センター長が講演した。同時期に第62回日本手外科学会学術集会も開かれ、札幌病院から4演題の発表があった。

越後OTはオープニングレクチャーも 越後OTはオープニングレクチャーも

日本ハンドセラピィ学会の冒頭、越後OTが「今回は外傷手にスポットを当て、最新のセラピィ戦略を学ぶ機会にしたいです」と挨拶。続いて「外傷手のセラピィ戦略」をテーマにオープニングレクチャーを実施した。

外傷手は疼痛(とうつう)、浮腫、組織の線維化・拘縮が多発し、ADL(日常生活動作)低下を起こしやすい。これを予防、コントロールするのがセラピストの責務であり、論理的な思考と正確な技術を基盤とする戦略が必要であると強調。ハンドセラピィ部門の整備として①クリニカルラダー(習熟段階)の作成と実施、②施設のプロトコル(実施計画書)の作成、③部門内の知識・技術の共有、④医師との連携―が必要とし、それぞれについてポイントを解説した。

挫滅手の再建を解説する土田センター長 挫滅手の再建を解説する土田センター長

教育講演では土田センター長が「挫滅(ざめつ)手の再建とハンドセラピィ」と題し講演。まず私見として、ハンドセラピィの3段階を示した。第1段階は「骨接合のように適切な治療が行われれば、リハビリテーションがフリーに行えるもの」、第2段階は「腱(けん)再建、知覚神経再建のように、リハビリによって組織破綻があり得るもの」、第3段階は「麻痺(まひ)手再建、関節再建にように機能に制限があり、機能を創造するリハビリ」を挙げ、症例をもとに詳説。最後に「原則には従え、しかし捉われるな」という言葉を送り、研鑽(けんさん)を促した。

手外科学会では辻副院長がパネルディスカッションに 手外科学会では辻副院長がパネルディスカッションに

前日のプレミーティングセミナーでは札幌病院の3人が講師を担当。辻英樹・副院長兼外傷センター部長は「軟部組織の縫合(皮膚皮下組織を除く)」をテーマに講義した。外傷の重症度が高いほど治療は遅滞なく行う必要があると強調したうえで、腱縫合について解説。早期リハビリが重要とし「医師とセラピストはつねに情報共有することが大切です」と結んだ。

倉田センター長はハンドセラピィ学会で皮弁の基礎を解説 倉田センター長はハンドセラピィ学会で皮弁の基礎を解説

倉田佳明・外傷センター長は「皮弁の基礎」と題し講義した。皮弁とは、血流のある皮膚・皮下組織や深部組織を移植する手術方法。皮弁の種類など説明した後、皮弁後のハンドセラピィのポイントに触れた。「皮弁後に重要なのは血行の維持。1週間ほどで血流は安定することが多いので、その後、積極的なリハビリが必要ですが、最初の1週間でできることもあります」と、症例を用いながら提案した。

越後OTは「伸筋腱縫合術後のImmediate Controlled Active Motion(ICAM)法」がテーマ。ICAM法(早期制限下自動運動)は伸筋腱(指を伸ばすスジ)縫合後に行うハンドセラピィのひとつ。この適応や特徴に加え、損傷指を非損傷指と連動させて保持する装具の作成のポイントなど説明した。同院でのプロトコルや成績を紹介したうえで、「患者さんがリハビリに取り組む姿勢も大切なので、見守ってください」と呼びかけた。

同時期に開催された日本手外科学会では、パネルディスカッションで辻副院長が「重度軟部組織損傷を伴う上肢外傷に対する運動器機能再建」と題し発表。「マイクロサージャリーは損傷組織の修復のみならず、皮弁術により運動器の保護に寄与します」など概論を説明した後、部位別に症例を提示、治療の留意点とともにハンドセラピストとのかかわりを含め解説した。他に同院から一般演題(口演)3演題の発表があった。

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