徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)4月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1182 四面

札幌南病院
認知症対応を強化
カンフォータブル・ケア導入

職員間の意思疎通にも好影響

カンフォータブル・ケアの成果をアピールする棟方・看護師長 カンフォータブル・ケアの成果をアピールする棟方・看護師長

札幌南徳洲会病院が認知症患者さん対応の一環で、2017年から実施しているカンフォータブル・ケアの効果が表れつつある。同ケアは道内の旭山病院に勤務している南敦司・看護師長が考案した認知症ケアの手法。

①いつも笑顔、②いつも敬語、③目線を合わせる、④優しく触れる、⑤ほめる、⑥謝る態度を見せる、⑦不快なことは素早く終わらせる、⑧演じる要素をもつ、⑨気持ちに余裕をもつ、⑩相手に関心を向ける――の10項目を基本技術とし、これらを通じ心地良いと感じる刺激(快刺激)を提供することで、認知症の周辺症状(暴言、暴力、興奮、抑うつ、昼夜逆転、幻覚、妄想、徘徊(はいかい)、失禁など)を抑える。

札幌南病院が同ケアを導入したきっかけは認知症の入院患者さんの増加。認知症外来を開設した14年以降急増し、月平均で認知症高齢者生活自立度Ⅲ以上の患者さんが、ほぼ半数を占めた。同ランクは日常生活に支障を来すような症状・行動(着替え、食事、排便・排尿がうまくできない、徘徊、大声・奇声をあげる、火の不始末など)や意思疎通の困難さが見られ介護を要する状態を指す。

技術に基づき患者さんに対応する泉洋子看護師(左)と村瀨紗季看護師 技術に基づき患者さんに対応する泉洋子看護師(左)と村瀨紗季看護師

その結果、認知症の周辺症状の対応に苦慮する看護職員が増加。周辺症状への対応力向上が必要と考え、17年9月に同ケアの考案者である南・看護師長を招き院内で講演会を開いた。講演会を企画した札幌南病院の棟方千秋・看護師長は「道内の医療系新聞社が発刊している月刊誌に掲載されていた南・看護師長の記事を拝見し、ぜひ話を聞きたいと思い提案しました。すぐに実践できるものが多く、当院でも取り入れようと決めました」と振り返る。

同年11月に各師長が旭山病院を見学に訪れ、まずは同院で行っていた朝礼と終礼を自院で実践。朝礼では患者さんとのかかわり方を部署で共有し「私的感情を切り替える」、終礼では患者さんに見受けられた良かった点を発表し「負の感情をもち帰らない」ことに努めた。18年にも同ケアをテーマとした看護部必修の研修を複数回実施。他職種も参加できるようにし定着を図っていった。

その結果、周辺症状が激減。看護職員69人にアンケート調査を実施したところ、不穏時に用いる薬物の使用量が前年度から50%以上減少したことなどが判明。「効果がある」と回答した割合は76%に上り、「患者さんの拒否が減ったと思う。何より自分が楽しく働けている」、「病棟全体で当たり前のように敬語で話す環境が心地良い」、「相手の目線に合わせて接すると、スムーズにケアできるように感じられる」といった声が寄せられた。

棟方・看護師長は「すぐに実践できる技術のため看護部全体で取り組め、それがケアの向上につながっていると思います」と強調。「職員間のコミュニケーションも、より良くなったという声もあります」とシナジー効果も得られているという。

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