徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)4月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1182 四面

サイエンス漢方処方研究会
作用機序解明など知見共有

第8回シンポジウムを開催 井齋・日高病院院長が理事長

「漢方研究を新たなステージへ」と井齋院長 「漢方研究を新たなステージへ」と井齋院長

日高徳洲会病院(北海道)の井齋偉矢院長が理事長を務めるサイエンス漢方処方研究会が3月24日、都内で第8回シンポジウムを開催した。医師や研究者など約70人が参加、会場は熱気に包まれた。2012年に発足した同研究会は漢方薬の作用機序などを解明、医師の誰もが診療に取り入れられるようにし、現代医療の質向上を図るのが目的。

井齋院長の開会挨拶に続き、今回のシンポジウムでは4人の講師が漢方研究などに関する最新の知見を紹介。はじめに一般講演として、ツムラ漢方研究開発本部ツムラ漢方研究所漢方システムバイオロジー部の李慶湖・課長補佐が、単一患者さんを対象に治療効果を評価する試験法であるN-of-1 trialsの特徴などを解説した。

福山大学薬学部漢方薬物解析学研究室の髙山健人助教は、腸内細菌叢(そう)と漢方薬のクロストーク(相互作用)を検討するために、便秘薬として用いられる大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)を例に、腸内細菌叢の変化や人体への影響などの研究結果を報告した。

医師や研究者など約70人が参加 医師や研究者など約70人が参加

続いて、特別講演として東京大学生産技術研究所の合原一幸教授が、複雑系数理モデル学をもとに、未病状態を疾病前状態として数学的に定義し、健康状態と疾病前状態を識別するためのDNB(Dynamical Network Biomarkers)という概念を提言し解説した。

この後、教育講演では、帝京平成大学薬学部薬学科の濃沼政美教授が、臨床研究を取り巻く近年の環境変化や統計学的因果推論の意義、疾患登録(レジストリ)データベースの必要性などに触れ、漢方臨床研究にふさわしい研究デザインをテーマに講演を行った。

最後に井齋院長が登壇し、漢方研究の将来的な方向性として、N-of-1 trialsなど精度の高い治療効果評価法の確立や、計算能力の高い量子コンピュータの実用化による究極の個別化医療などを提示した。井齋院長は「今回、参加者の皆さんと共有できた知見を土台として、漢方研究を新たなステージにステップアップしていきたい」と意気込みを語った。

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