徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)4月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1182 四面

学術集会「JET2019」
岸和田病院が徳洲会初
一般演題で最優秀賞を受賞

末梢血管内治療の学術集会「JET(Japan Endovascular Treatment Conference)2019」が3日間、都内で開かれ、国内外から医師をはじめ2022人の医療従事者が参加した。徳洲会からは4病院が参加し多様なプログラムで発表した。次回は岸和田徳洲会病院(大阪府)の藤原昌彦・循環器内科部長が事務局長を務め、2020年2月に大阪で行う予定。

国内外から2000人超参加

藤原部長は演者や座長を務め多くのプログラムで活躍 藤原部長は演者や座長を務め多くのプログラムで活躍

JETは岸和田病院の横井良明副院長が2003年に立ち上げたJPIC(Japan Peripheral Intervention Conference)を前身とする末梢血管内治療の学術集会。07年にJETに改称し、その後、一般社団法人化を経て09年から現在の形で年1回開催するようになった。

権威にとらわれず、若手医師が積極的に発言・発表。演題発表をはじめ実際に患者さんを治療している様子を病院から中継し、供覧するライブセッション、国内外の医師が議論を交わすディベートセッションを多く設けるなど、現場重視かつ“楽しく学ぶ”をコンセプトとしている。国際化、グローバリゼーションを目指していることから、英語によるセッションを増やしているのも特徴だ。

最優秀賞を受賞した森下医師 最優秀賞を受賞した森下医師

今年2月に行われた11回目の今回は、国内外から2022人が参加。うち約1割がアジア圏を中心とする外国人参加者で、セッションの約半数が全編英語となった。目玉のライブセッションでは全国4病院で行った計30症例の治療の様子をライブ配信。21人の医師が手技のポイントや工夫を解説した。

ディベートセッションでは治療の効果や安全性の向上のみならず、医療コストなど多岐にわたる視点で活発な議論を交わした。一般演題発表は130題に上り、多様な職種が発表した。

「国境や診療科を超えてより良い医療提供したい」

演者の発表スライドに見入る横井副院長(右) 演者の発表スライドに見入る横井副院長(右)

徳洲会グループからは4病院が参加。なかでも岸和田病院の藤原部長は今大会の実行委員を務め、企画・運営だけでなく、12セッションに演者や座長として登壇。

ライブセッションでは、英語で行われるメインライブの1例でオペレーターを務めた。自院の矢津優子・臨床工学技士を助手とし、今年1月に保険収載された石灰化に非常に強い新たなステント(SUPERAステント)を用いて、複雑石灰化をともなう浅大腿動脈慢性完全閉塞の治療を行った。

「同ステントのライブデモンストレーションは国内初症例で、大変注目度の高い治療でした」(藤原部長)。

ディベートセッションではバルーンやステントなど医療機材が自国で使用できるようになるまでのプロセスをシンガポール、中国、韓国、台湾からのパネリストなどと議論。藤原部長は「日本とまったく異なり、国によって、さまざまな過程があると知りました。日本では厳格な臨床試験などをふまえ使用できるようになるため、安全性・有効性が担保されている日本の良さを再認識しました」と振り返った。横井副院長も数多くのセッションで座長などを務めた。

今回も前回に続き国内外から参加者2,000人超と盛況 今回も前回に続き国内外から参加者2,000人超と盛況

一般演題発表では岸和田病院の森下優・循環器内科医師(当時)が徳洲会関係者では初となる最優秀賞を受賞。閉会式のなかで表彰された。演題のテーマは下肢静脈エコーによる深部静脈血栓症(DVT)の罹病(りびょう)率。自院で1年間に下肢静脈エコーを行った1137人の患者さんを分析した結果、10.3%の患者さんがDVTと診断、そのうち治療を受けたのは49%だったことが判明。

DVT患者さんは入院、寝たきり、症状(浮腫、腫脹(しゅちょう)など)、肺塞栓を有する順で有意に多く、また自院でフォローした79人のうち21人がDVTの合併症であるPTS(血栓後症候群)を発症していた。事前に抗凝固薬を内服している患者さんの群と内服していない患者さんの群とでは有意差はなかった。

現在、日本ではDVTに対するインターベンション治療は未承認のものが多く、抗凝固薬のみで治療を行うことがほとんどだが、今回の研究で抗凝固薬だけでは合併症を防げない可能性を示唆。海外のデータや自院のケースをふまえ「治療方針の選択については、そのときどきで慎重に吟味する必要性」を指摘した。

このほか演題発表は湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、東京西徳洲会病院、札幌東徳洲会病院も行い、今大会は熱気を帯びたまま終了。

藤原部長は「17年から本格的に国際化に注力し、海外からの参加人数も36人、105人、154人と順調に増えています。とくにアジア圏の方が多いのは嬉しい限り。循環器内科医師のみならず、心臓血管外科医師や放射線科医師もバランス良く参加してくださり、“国境、診療科を超えて、より良い医療を提供したい”という目標に沿った形で、当会が発展していると思います」と手応えを実感している様子だった。

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