徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)12月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1163 二面

モーニングレクチャー
帯状疱疹と漢方の知識を院長ら共有

11月度の徳洲会医療経営戦略セミナー2日目の早朝、病院長ら幹部が参加する第10回モーニングレクチャーを開催した。今回は帯状疱疹(ほうしん)と漢方がテーマ。

帯状疱疹のトピックスを紹介する渡邊部長 帯状疱疹のトピックスを紹介する渡邊部長

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の渡邊京子・皮膚科部長は「帯状疱疹の新しい治療と予防」をテーマに講演。帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスを原因に、初めての感染は人からの空気感染で、水痘として発症する。皮疹が出現していても単純ヘルペスなどと迷うことがあり、水疱があれば、今年発売された水痘・帯状疱疹ウイルス抗原キット「デルマクイックVZV」が有用であると紹介した。

治療は現在、1日に3回ほど内服する「バルトレックス」などが主流であるが、昨年発売された「アメナリーフ」は1日1回の内服で、腎機能に応じた加減が必要ないというメリットがある。また、予防接種が50歳以上に可能となったことにも言及し、「現在は生ワクチンのみで免疫抑制患者さんには接種できませんが、近々、別のサブユニットワクチンが認可され接種可能になります」と予防の大切さも強調した。

「漢方は身体のシステムを正常化」と井齋院長 「漢方は身体のシステムを正常化」と井齋院長

日高徳洲会病院(北海道)の井齋偉矢院長は「サイエンス漢方処方概論」と題し講演。漢方薬は数千種類の微量の化合物の集合体であり、多い成分から順にプロットすると、非常に長い尾をもつ「along-tailed drug」と表現できる。

漢方薬がちょうど良いところで効果が現れると、それ以上効きすぎない理由として、「漢方薬には敵をピンポイントで攻撃する作用はなく、身体のシステムを正常化し、患者さんが自力で病気を克服できるようにしているからです」と説いた。

最後に井齋院長は、「薬が主役ではなく、患者さんを主語にした作用機序を考えていかなければいけません」とまとめた。

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