徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

佐野 憲(さのけん)(仙台徳洲会病院院長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

佐野 憲(さのけん)

仙台徳洲会病院院長

2018年(平成30年)12月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1163

毎朝の情報共有や話題提供の場である
8時会と朝礼は病院の大切な活気の源
医局会は全員が立って行い気合い入れる

徳洲会に入職して25年が経ちました。大阪の松原徳洲会病院で院長を10年間経験し、その後、仙台徳洲会病院の院長になって、そろそろ3年になります。

徳洲会で院長業を経験し、何が大事か、自分なりに考えたことを述べてみたいと思います。なんて書きますと、たいそうなことを言うようですが、いたってシンプルです。「8時会と朝礼」、以上です。

「ボーッと座っているだけの会議ではダメ」

このひと言に尽きるのですが、補足説明として、もう少し書き加えたいと思います。

私は松原病院時代から、数限りなく外部審査を受けてきました。ISO(国際標準化機構)、病院機能評価、JCEP(ジェイセップ)(卒後臨床研修評価機構)などなど。

その時に、外部(徳洲会以外)の医療機関に所属する医師、または事務部門や看護部門の幹部らが、サーベイヤー(調査員)として病院の中に入って来られます。

こうした方々から、必ずと言っていいほど「8時会と朝礼が素晴らしい!」との言葉をいただきました。

はじめは「お世辞で言ってくれているのだろう」と半信半疑でしたが、あまりにも多くの方々が同じことを言われるので、やがて「これは真実に違いない」と思うようになりました。

ご存じのとおり、病院は部署ごとの縦割り組織になりがちです。そんな組織で、各部署の全責任者が、毎日午前8時に集まり、情報共有を図る時間が30分もあるのは、やはりすごいことであると、外部の方々の話を思い返すたびに、あらためて感じ入っています。

松原病院の院長になって間もない頃、ある先輩の院長先生に、数冊の本をいただきました。大部分が経営に関する本だったのですが、あまり興味をそそられず、きちんと読みませんでした。

ただ、そのなかの1冊に、『すごい会議』といったタイトルの本がありました。もうどこかに行ってしまい、もしかしたらタイトルも間違っているかもしれませんが、内容はよく覚えています。要するに、ただ、ボーッと座っているだけの会議ではダメだということです。

どうしたら活発で緊張感のある会議になるか。これを真剣に考え、毎日の8時会に臨んできました。一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長も「院長は引っ掻き回すのが仕事だ」と言っておられます。

言わんとされていることは、よくわかります。病院が安定してしまうのは、あまり良いこととは思っていません。確かに赤字はまずいですが、黒字が続くと、守りに入りがちになり、攻めていかなくなります。やはり安定は良くないように思います。

「必ず職員を笑わせる」モットーに朝礼に臨む

8時会の次は、朝礼です。正直に申しますと、松原病院時代は、ほぼ参加しませんでした。

仙台病院に転勤後、無理にでも朝礼に参加するようにしています。今ではこれが良かったと自負しています。

どこの病院でも行っていると思いますが、話題提供(持ち回りスピーチ)の時間があり、これはとても素晴らしい習慣です。

私も毎日の朝礼では、「必ず職員を笑わせる」をモットーに話をしています。

笑いを誘えるかどうかが、皆が聴いているかどうかの一番確実なバロメーターだと考えているからです。実際のところ、笑ってもらえるのは3日に1回くらいの割合ですが、誰でも朝から笑うと、気分が良いでしょうから、これからも続けていくつもりです。

最後に、毎日の医局会です。これも松原病院時代はありませんでした。

当院の朝の医局会は、全員立って行います。かつては座って行っていたそうですが、私が当院に赴任する前に安富祖久明・副理事長が来られ、「皆さん、立ちましょう!」とのひと声で始まったとのことです。

5分ほどで終わりますが、緊張感があり、朝から気合いが入る大切な時間になっています。

こうした習慣を生んでくださった安富祖先生には、大変感謝しています。以前、中部徳洲会病院(沖縄県)の朝の医局会に参加した時、安富祖先生がものすごく気合いを入れておられ、驚いたことを覚えています。

そのようなわけで8時会、朝礼、そしてできれば朝の医局会は立って行う。地味なようですが、これらを大事にしています。

皆で頑張りましょう。

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