徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)2月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1122 三面

武蔵野徳洲会病院と八尾徳洲会総合病院
日本高次脳機能障害学会
学術総会で演題を発表!

第41回日本高次脳機能障害学会学術総会が2日間、さいたま市で行われた。テーマは「わかりあうを科学する」。徳洲会グループでは武蔵野徳洲会病院(東京都)の伊藤敬市・言語聴覚士(ST)と八尾徳洲会総合病院(大阪府)の竹中温子・作業療法士(OT)が1題ずつ発表した。

「わかりあうを科学する」がテーマ

発話に対する身振りの影響を解説する伊藤ST 発話に対する身振りの影響を解説する伊藤ST

伊藤STは「失語症者の発話に伴う身振り(第2報)―身振りと概念化に関する認知言語学的考察―」と題し口頭発表。大学院から継続している研究の成果について報告した。

発話中の身振りが探索活動(環境に能動的に働きかけ情報を得る過程)として機能しているのではないかとの仮説を検証。失語症者(1人)と健常成人(男女28人)に「プールの底がだんだん深くなる」4コマ漫画を記憶してもらい、内容を説明してもらった。

結果、失語症者は発話に難渋したが、徐々に微細な手の動きが見られ、やがて明確な手の動きに追随するように「深くなって」との言葉が表出。健常成人では深くなっていく様子の説明と身振りがほぼ同時に見られることが多い結果などが得られた。

伊藤STは、失語症者と健常成人のいずれの場合も、手の動きが知覚の変化をもたらしプールが深くなっていく表現を促進した可能性などを指摘。今後、「より実証的な研究と臨床への応用につなげたい」と締めくくった。

竹中OTは症例をもとに使用行動の観察方法を示唆 竹中OTは症例をもとに使用行動の観察方法を示唆

竹中OTは「使用行動を呈した右前頭葉病変の1例―観察方法の工夫―」と題してポスター発表を行った。使用行動とは、前頭葉機能障害のひとつで、目の前の道具を使用してしまう現象。現れる頻度が少なく、リハビリテーションの場面で評価するのは容易ではないため、使用行動の観察方法について検討した。

症例は40歳代女性。使用行動の観察にあたり、油性ペン、蛍光ペン、キャップ付きの鉛筆、鉛筆削りなど7品目を用意。通常提示では関心を示さないものの、ペンや鉛筆のキャップをはずす、鉛筆の先を丸めるといった条件調整を行うと、ペンのキャップをはめたり鉛筆削りで削ったりする行為が見られた。退院後は非監視下のみ使用行動が見られたが発症3カ月後には消失した。

竹中OTは非監視下での使用行動が観察された時期に、ADL場面での過剰な行動があったことが「リハビリ経過を見ていくうえで有用」とし、使用行動の観察や誘発には、患者さんごとに物品の選定や提示条件の工夫が必要とした。

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