徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

直言

Chokugen

東上 震一(ひがしうえしんいち)(医療法人徳洲会副理事長 岸和田徳洲会病院院長(大阪府))

直言 生命いのちだけは平等だ~

東上 震一(ひがしうえしんいち)

医療法人徳洲会副理事長 岸和田徳洲会病院院長(大阪府)

2018年(平成30年)2月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1122

自由を求め患者さんへの愛に生き
仲間を愛するグループでありたい
積極的な意欲と努力を尊重しバックアップ

「情けは人の為(ため)ならず」

この言葉は、人に対して情けをかける(憐れみをかける)という行為は、決してその人のためになるものではなく、結果的に、人を甘やかし害することになってしまうという否定的な意味として理解している人も多いように思います。実際、私も誤解していたのですが、本来の意味は情けをかける(善行を施す)ことは、まわりまわって自分を益することにつながり、結局は自分のためにかけているというもの。良いことをしているという心の充足や喜びを、自分自身に返ってきた良い報い(利益)として捉えるという理解です。「情けは人のためではなく、自分のためである」。この本意を知った時、なるほどと思い深い意味に人としての心のもち方を教えられたように感じました。

人に情けをかけ、憐れみの感情をもつことは、決して上位に立つ優位な側からの目線ではなく、人の弱さや苦しみに共感することであり、この共感こそが人と人とを結び付け、助け合う関係を築いていくものだと思っています。自分のために生きること、人のためになって生きること、これは相矛盾するものではなく、同時に同義的に併存し得る考えです。

患者さんへの思いや努力は結果的には自分たちに返る

医療・介護の現場では、まさにこの構図が成り立ちます。患者さんのために、という私たち医療スタッフの思いや努力は、結果的には自分たちのためになっているということです。これは医療者としての高いモラルを要求されるものではありますが、決して一方的な自己犠牲や滅私奉公的な義務感を強いるものではありません。

スタッフ個々人がそれぞれの分野で専門家として働くことの充実感や喜び、満足を感じてこそ、これを受ける患者さんが、この施設で良かったという安心と満足感をもち得るのです。徳洲会グループの運営で、何より患者満足度の向上を目指すというのなら、私たちは同時に、徳洲会というフィールドで共に苦労する仲間の働く喜びを最大限に引き上げる努力も惜しむべきではないと思います。こういう医療の現場にはまた、新しい人や才能が集まってくるものです。

身の丈に合わない構想でもこれを叶えて未来に賭ける

約10年前に尾野亘(おのわたる)先生(現・和泉市立病院副院長)が、たったひとりで始めた岸和田病院内視鏡センターは現在、井上太郎先生(内視鏡センター長)が率いる26人の消化器内科医を抱えるセンターに成長し、年間2万件に及ぶ内視鏡検査・治療を、離島を含む18の徳洲会病院で行っています。

また、いち早く横断的に徳洲会グループの外科治療を支えてきた湘南外科グループ(SSA)や名古屋徳洲会心臓血管外科グループなど、それぞれの成長の過程を見るにつけ、若者が集まり、人が集まる魅力をもつことの重要性を痛感させられます。

それでは人が集まってくる魅力とは何か。心理学では人の集まる条件として次のことが述べられています。①人は人の集まるところに集まる、②人は快適なところに集まる、③人は噂になっているところに集まる、④人は夢を見られるところに集まる、⑤人は良いもののあるところに集まる、⑥人は満足の得られるところに集まる、⑦人は自分のためになるところに集まる、⑧人は人の心を求めて集まる。

たしかに自分ひとりでは不安もありますし、情報という噂に引きつけられる部分もあるでしょう。また環境が快適であることも重要な要素です。しかし結局、人は自分にとってメリットがあり、自分の定めた目標を達成でき、自分の才能に賭けて夢を追える場所に集まるのだと思います。いろいろな人の個性を許容し、それぞれの能力を認め評価できる包容力と柔軟性が、私たちには必要です。誰も完璧な人間などいないのです。たくさんの人が集まってこそ、発揮できる力があります。

徳洲会には自由な空気があります。年齢ではなく、その人の積極的な意欲と努力を尊重しバックアップする姿勢があります。たとえ、その時点では身の丈に合わないような構想であっても、これを叶え未来に賭けようとする姿勢があります。このような清新な気風をもち続けることが、さらなる徳洲会グループの成長を約束するものと信じています。

自由を求め患者さんへの愛に生き、そして何より仲間を愛するグループでありたいと思っています。皆で頑張りましょう。

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