徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)11月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1108 一面

天皇陛下の執刀医ら講演
名古屋徳洲会総合病院
第4回春日井心外セミ

名古屋徳洲会総合病院は9月16日、第4回春日井心臓血管セミナーを開催した。同院の心臓血管外科発足20周年を記念し、天皇陛下の心臓手術を執刀した順天堂大学医学部の天野篤・心臓血管外科教授兼同附属順天堂医院院長、東海地方で循環器治療に尽力するメディカルパーク今池の平山治雄院長らを招聘(しょうへい)。狭心症治療の変遷と最新のトピックスを学んだ。

心臓血管外科開設20周年記念

最新トピックスを交えながら「最高の手術」を語る天野院長 最新トピックスを交えながら「最高の手術」を語る天野院長

名古屋病院は年2回、循環器セミナーを開催しており、毎回テーマを決め、その道の第一人者に講演を依頼、地域の循環器治療の質向上に尽力している。今回のテーマは「狭心症」。同院心外20周年ということもあり、これまでの倍以上の250人超の医療者らが参集した。

まず平山院長が「虚血性心疾患の最適治療法を求めて~PCI専門医は過去と現在から何を学び、これからどこを目指すのか~」をテーマに講演。

かつて冠動脈に病変があれば経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行していた時代があったが、その後の検証により、急性冠症候群(ACS)に対する緊急PCIは救命効果が認められるものの、安定狭心症に対してはPCIを急ぐメリットがないと判明したことを紹介。安定例には生活習慣の改善や至適薬物療法が第一選択であり、それでも狭心症が悪化するケースにのみPCIか冠動脈バイパス術(CABG)で血行再建を図るべきと若い医師らに提言した。

続いて天野院長が「最高の冠動脈バイパス手術を求めて~あきらめない心、心臓外科医は命をつなぐ~」と題し講演。

グラフト(バイパス用血管)は採取位置によって生命予後や開存率が違うことから、採取位置別の成績を比較した研究を紹介、推奨する左内胸動脈の採取手技を動画で供覧した。

また、人工心肺を用いない手術(オフポンプ手術)と、用いる手術(オンポンプ手術)では、オフポンプのほうが手術時間、輸血量、合併症などが少ないとの報告があることを紹介。エビデンス(科学的根拠)は確立していないものの、オフポンプ手術はとくに周術期合併症予防に有効との見方を示した。

さらに、CABG術後の深刻な合併症である脳梗塞は、術後に心房細動を起こした患者さんに多く、その大半が左心耳内に発生する血栓が原因であることから、オフポンプCABG時に左心耳を予防的に切除する方法を紹介。検証の結果、左心耳を切除しなかった群で脳梗塞発生率が高く、「(CABG術中の左心耳切除は)左心耳原因の脳梗塞を減らせる可能性があります」と天野院長は示唆。

心筋虚血を治療するだけでなく、「術後の合併症予防も視野に入れた治療が大切」と訴え、そのために心外医師だけでなく麻酔科医やコメディカルとも協働し、ハートチームとして治療を計画・実行する必要があることを強調した。

懇親会で天野院長(左)、大橋総長(左から4人目)らが交流 懇親会で天野院長(左)、大橋総長(左から4人目)らが交流

最後に川嶋康生・大阪大学名誉教授兼国立循環器病研究センター名誉総長が挨拶に立ち、心外手術の変遷を振り返るとともに、名古屋病院心外20周年に祝意を表明。その後、参加者らは懇親会で杯を交わしながら交流を深めた。

同セミナーを企画した名古屋病院の大橋壯樹総長(心臓血管外科)は、「先人の尊い試行錯誤のうえに新しい治療法が積み重なっていくのだと実感できる講演でした」と満足した表情。引き続き最先端の医療を提供し続けていくことを誓っていた。

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