徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

荒賀 直子(あらがなおこ)(湘南鎌倉医療大学(仮称)設置準備室室長(東京都))

直言 生命いのちだけは平等だ~

荒賀 直子(あらがなおこ)

湘南鎌倉医療大学(仮称)設置準備室室長(東京都)

2017年(平成29年)11月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1108

医療大学開学へ「悠々として急げ」
国内外で活躍する若者の姿を夢見る
学際的な教育に徳洲会グループの協力も

私は父が病弱であったこともあり、両親から看護師になることを勧められ、聖路加看護大学衛生看護学部(現・聖路加国際大学看護学部)に1期生として入学しました。大学卒業後、保健師・看護師・高校教員免許を取得、1995年、子育ての真っ只中でしたが、短大教員として働きながら京都女子大学大学院修士課程に入学し、97年に修了。その後、順天堂大学医療看護学部に移り、教授就任中の2002年に博士号を取得。11年に甲南女子大学看護リハビリテーション学部教授に転じ、翌年、同大学副学長、看護リハビリテーション学部長、大学院看護学研究科教授に就任しました。

神奈川県に湘南鎌倉医療大学(仮称)開学準備のため、協力してほしいと人を介して要請があり、今年6月1日付で準備室長に就任しました。以降、徳洲会の理念や組織体制などを学習しています。そのなかで大変感動したのは、たとえば湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は、病院周辺に保健・福祉に関連する施設が整い、これらがネットワークでつながって地域に住む方々の健康・療養生活に手厚く関与し、国が推進する地域包括ケアシステムをすでに実践していたことです。

与論島を皮切りに徳之島など離島病院や施設を見学し感動

国は2025年以降、75歳以上が急増し、現在のケア状況では限界があるとして、医療・看護のあり方を転換しようとしています。とくに看護の将来ビジョンについて日本看護協会は保健・医療・福祉のパラダイムシフト(社会の規範や価値観が変わること)を図ろうと提言しています。つまり療養の場を医療機関から生活の場に移し健康寿命の延伸を図るため重症化予防、介護予防など、さまざまな場面で予防の重要性を打ち出しました。これらは徳洲会ですでに実行されつつあります。さらに離島・へき地での医療活動を長年、組織を挙げて行っています。

9月に与論島を皮切りに徳之島、沖永良部島、喜界島、奄美大島の名瀬、瀬戸内、加計呂麻(かけろま)島にある徳洲会グループの離島病院や介護施設を見学しました。そこには日本の20年先を行く高齢化の現状や、それを支える職員の笑顔、そして病院を信頼する住民の方々の姿がありました。徳洲会の「生命だけは平等だ」の理念が脈々と流れ、実践されていることを目の当たりにし深い感動を覚えました。

未来を見据えた医療・看護のあり方を考えられる学生育成

私たちが目指すのは看護師を含む医療従事者養成のための教育です。厚生労働省の指定規則に沿った教育を第一に行い、さらに未来を見据えた医療・看護のあり方を考えられる学生を育てていきたいと思い、5つの柱を立てました。①人間性の涵養(かんよう)に努め倫理観を高める、②最新の看護の知識・技術をもち、的確な判断力、思考力で看護実践、③地域特性を把握し地域住民の方への看護活動に積極的に貢献、④多職種との連携で看護の専門的役割を果たす、⑤コミュニケーション力を高める。

看護学は、もともと学際的な内容から成り立っていますので、徳洲会で働くさまざまな専門職の方にも授業や実習でご協力をいただきつつカリキュラムを展開していきたいと思います。

私の最も重要な役割は、「生命だけは平等だ」という理念の下、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指し、日々研鑽(けんさん)する医療人を育成するという本学の理念に共鳴し、ともに汗する教員を探すこと。また必要かつ膨大な書類を点検しつつ大学の基盤をつくり、さらに教育の内容を検討し1期生を国家試験に合格させ社会に送り出すことです。

学部運営が順調にいけば、大学院の開設が次の目標になります。大学院は各分野の専門家と出会い、刺激を受け学問を探究する面白さを見出し、自身のキャリアアップにつなげる場でもあります。とくに、NP(診療看護師)の養成は今後重要性が増してくると思います。時代が求める人材を育成していくには、時間がかかります。私は今「悠々として急げ」の心境です。

鈴木隆夫・徳洲会理事長は、初めてお会いした際「国や宗教、肌の色の違いを越えて、徳洲会の理念に燃え、困っている人がいれば、いつでも、どこでも駆け付け、助ける若者を育成する。これが建学の精神です」と力強く言われました。本学で学んだことを誇りに思い、国内外で活躍する若者の姿が目に浮かびます。皆で頑張りましょう。

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