2017年(平成29年)10月23日 月曜日 徳洲新聞 NO.1105 三面
日本人間ドック学会学術大会
健診ツーリズムで存在感
徳洲会グループから6演題
第58回日本人間ドック学会学術大会が2日間、埼玉県で行われた。メインテーマは「生涯健康のガイドライン創り―豊かな高齢化社会を目指して―」。徳洲会グループは6題を口演(口頭発表)。このうちパネルディスカッションでの2題を中心に紹介する。
健診サービスの外国人利用者さんについて発表する渡部プロジェクトリーダー(右)と河野責任者
パネルディスカッションのテーマは「健診ツーリズム:世界に広がる人間ドック」。パネリスト5人のうち、一般社団法人徳洲会の渡部昌樹・国際医療支援室プロジェクトリーダーと湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の河野晋一・健康管理センター責任者(臨床検査技師)が登壇した。
渡部プロジェクトリーダーは「外国人からみた日本の健診サービスの違い(外国人が満足する健診サービスとは何か)」と題し、徳州会グループの取り組みをふまえ外国人患者さんを受け入れる際のポイントを示した。
まず徳洲会の現状について説明。2012年10月から外国人患者さんの受け入れを本格化させ、湘南鎌倉病院を皮切りに、北海道から沖縄県までグループ9病院に国際医療支援室を設置するなど、幅広い受け入れ体制づくりを進めている様子を紹介した。
外国人患者さん受け入れ徳洲会は昨年8000人
昨年はグループ全体で約8000人の外国人患者さんを受け入れ、なかでも健診サービスを目的とする来院では、中国が堅調に増加している状況を示した。以前は、がんに関する検査が人気だったが、最近はエコーや内視鏡の検査など日本で一般的に行われている検査が選ばれる傾向が顕著なことも披露した。
これらをふまえ、注意すべき点として①電話対応だけでなく必ず会って話をする、②ネガティブな情報(病院の場所が都市部から離れている、健診結果が届くまで時間がかかるなど)は事前に必ず伝える、③受け入れる条件を一定にする(さまざまなルートで問い合わせてくるため、その都度条件を変えると後で問題に)―などを列挙。
また、多くを受け入れるために、①健診メニューを選べるように料金は単価ベースで設定、②予約の回答は迅速に行う、③通訳を介し正確に結果を伝えられない検査(肺機能検査など)は省き、人気の検査(中国では腫瘍マーカーなど)は盛り込む―といった工夫も凝らしている。
今後は健診結果の回答期間の短縮や、より魅力的な検査の実施などに取り組み、「日本の健診サービスがさらに認知されるように努力します」と締めくくった。
河野責任者は「メディカルツーリズム10の知識」がテーマ。自院の例を交えながら、メディカルツーリズムの要諦として、①メディカルツーリズムの経緯、②自院の現状、③来日理由(海外の動向)、④予約に至るまでの流れ(国内外のエージェント、知人など)、⑤外国人の要望(言語や宗教への対応、健診後の当日治療の可否、宿泊場所から医療機関までのアクセスなど)、⑥受け入れやすい環境づくり(個別化対応)、⑦新しい検査メニューの導入、⑧結果報告書の工夫(所見と画像)⑨受け入れるための自院の課題、⑩将来展望―の10項目を掲げ、それぞれ把握したり考えたりする重要性を示した。
一般演題は次のとおり。▼永原隆之・静岡徳洲会病院臨床検査技師長「頸動脈超音波検査における偶発的に描出される甲状腺腫瘤(しゅりゅう)への対応について」▼上田由美子・同健康管理センター係長「専属スタッフを配置することなく中国からの受診者を受け入れるための取り組み」▼岡村香・同臨床検査技師「人間ドック腹部超音波検査において偶発的に発見された、壁外発育型十二指腸粘膜下腫瘤の一例」▼小寺徹・宇治徳洲会病院健診センター部長(医師)「RAC類似所見を呈するヘリコバクター・ピロリ感染胃炎(現感染)の検討」。