2017年(平成29年)9月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1101 二面
足腰の痛み・しびれ・歩行障害
腰部脊柱管狭窄症を改善
湘南藤沢徳洲会病院・岡本弘史部長
湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)脊椎(せきつい)センター・脊柱側彎(せきちゅうそくわん)症センターの岡本弘史部長は「脊柱には、椎体(ついたい)の後方(背中側)に神経の通路(脊柱管)があります。神経の通路が加齢により狭くなる病気を脊柱管狭窄(きょうさく)症と言い、腰椎(ようつい)での狭窄を腰部脊柱管狭窄症と言います。腰椎の神経は下肢の知覚や運動と関係しているため、腰椎で脊柱管が狭窄されると、下肢に症状が出ます」と脊柱の果たしている役割について話す。
症状としては腰痛以外に下肢のしびれや疼痛(とうつう)、下肢の筋力低下、歩行障害、排尿・排便障害などが認められる。また、間欠性跛行(かんけつせいはこう)は特徴的な症状で、歩き始めるに従って徐々に下肢に痛みが出るが、前かがみになると痛みが軽快し再び歩けるようになるのが特徴だ。
「診断にはMRI(磁気共鳴画像診断装置)が有効です。治療は薬物療法やブロック注射など保存的治療を行います。効果がなく、疼痛が強くて日常生活に支障を来す場合は手術となります」(岡本部長)
手術は、腰椎で脊柱管を圧迫している組織を切除する。脊柱管狭窄症では、前方から椎間板(ついかんばん)や変性した骨、後方から肥厚した靱帯(じんたい)により圧迫を受けている。一般的な手術は背中から侵入して、脊柱管を後方から圧迫している肥厚した靱帯や変性した骨を切除。また、脊柱管の前方にある椎間板が脊柱管を強く圧迫している症例では、椎間板も切除。
「手術後1日目からリハビリを開始。痛みに応じて行い、手術後3日目くらいには歩行器を使って歩行し、2週間前後で退院となります。当センターは世界初の脊椎専用ハイブリッド手術室を導入しており、安全・確実・迅速な手術を実現しています。足腰の痛みやしびれ、歩行障害を自覚したら、ただちに受診してください」と岡本部長は早期発見と早期治療を勧めている。