2017年(平成29年)9月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1101 二面
湘南鎌倉総合病院
業務改善の成果共有
第6回QI大会を開催
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は9月1日、医療の安全確保や質の向上などを目的とした活動の成果を発表するQI(Quality Improvement =品質改善)大会を開催した。今年で6回目。各部署からの一般演題11演題に加え、病院全体指標(ワイドインディケーター=WI)5演題の計16演題の発表を行った。約250人の同院職員が情報共有などを図った。
受賞した3 人を囲んで記念撮影
冒頭、湘南鎌倉病院の権藤学司副院長が「部署ごとの業務改善の取り組みに関して情報共有できるのがQI大会です。他部署の良いところをどんどん取り入れてください」と開会の挨拶。
今回のQI大会では、一般演題のなかから座長推薦と聴講者の投票をもとに最優秀演題賞と優秀演題賞を選出。最優秀演題賞に選ばれたのは「救命救急センターにおける薬剤師の早期患者介入に向けた取り組み」をテーマに発表した薬剤部の宮田祐一薬剤師。優秀演題賞は「ECU・ICUにおける理学療法士の専従化が入院経過に与える影響」と題して発表したリハビリテーション科の南條恵悟・理学療法士。
宮田薬剤師の発表では、同院はER(救急外来)から入院する患者さんに薬剤師が早期介入するために、今年4月から平日の日勤帯のみ救命救急センター担当薬剤師がER観察室のベッドサイドで入院時面談を実施。その結果、「有意に初回介入までの時間を短縮し、初回介入時間のバラツキを少なくすることにも寄与しました」とまとめた。
南條・理学療法士の演題では、同院は2016年7月からECU(救命救急治療室)・ICU(集中治療室)での理学療法士の専従化を開始。内科系の入院患者さんへの影響を調査した。その結果、「専従化後のほうが介入と離床の早期化が得られました」と報告した。
活発に質疑応答を交わす
ベストWI賞の表彰も行われ、「『AIDET』啓発の取り組み~患者満足度の向上を目指して~」がテーマのリハビリテーション科の根本敬室長が受賞。同院はAIDET(患者確認、自己紹介、時間の説明、内容の説明、お礼の頭文字で構成)という患者対応方法を導入し、患者さんのストレス軽減を目指しており、その進捗(しんちょく)などを発表した。
小林修三・院長代行(QIセンター長)が表彰状と記念品を各受賞者に贈呈。表彰後、宮田薬剤師は「薬剤部からさまざまなエビデンスを発信していきたい」、南條・理学療法士は「しっかりとデータを出して、質の向上に貢献していきたい」、根本室長は「患者満足度向上に向けてプロジェクトを進めていきたい」と抱負を語っていた。
最後に、小林・院長代行が「現状の把握と分析を行い、数字を謙虚に受け止めることが、質の高い病院をつくります」とさらなるQI活動の推進を呼びかけた。