2017年(平成29年)8月7日 月曜日 徳洲新聞 NO.1094 四面
タンザニア医師ら参加
湘南鎌倉総合病院
腎移植テーマにセミ
「腎移植をして終わりではありません」と小林・院長代行
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は7月5日、第31回SK腎セミナーを開催した。これは同院の腎臓病総合医療センターが主催し、院内のスタッフや近隣の医療機関と腎臓に関するあらゆる知識を共有するのが目的。今回のテーマは「腎移植」。アフリカのタンザニアから腎移植の研修で来日した医師らも参加した。
まずは一般演題として、同院の三宅克典・腎移植外科医長が「湘南鎌倉総合病院における腎移植の現状」、大木里花子・腎免疫血管内科医師が「低心機能を呈した重度MR患者に先行的腎移植が有効であった一例」をテーマに講演、同院の取り組みを紹介した。
タンザニアの医師らもセミナーに参加
続いて特別講演として、東京女子医科大学の奥見雅由・泌尿器科学准教授が「腎移植の長期成績向上のために」と題し講演。①免疫抑制療法と慢性腎臓病管理を両立していく、②日本人腎移植患者さんの疫学・予後を正確に評価する、③大規模な前向き試験により、日本人腎移植患者さんに適したエビデンス(科学的根拠)を構築していく必要がある――と結論付けた。
最後に湘南鎌倉病院の小林修三・院長代行が挨拶。タンザニア初となる腎移植プロジェクトを推進中であることを明かし、「腎移植をして終わりではありません。提供された大切な腎をずっと機能させていくために医療者はどうすればよいか、考えるきっかけになったと思います」と結んだ。