2017年(平成29年)6月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1087 三面
宇和島徳洲会病院
マーケ活動充実
介護との連携を加速
講演でオムツそのものの説明をする中島副主任(奥左)
宇和島徳洲会病院(愛媛県)のマーケティング活動が充実している。担当する地域連携室の人員を増やし、地域の医療機関などへの訪問が、目標の月100件(企業訪問を含めると月平均180件)を突破した。
最近とくに力を注いでいるのが介護施設・事業所との連携だ。地域連携室の木ノ脇富男主任は「介護施設・事業所の増加」を理由に挙げる。木ノ脇主任が同部署に着任した2014年当時、病床機能報告制度がスタート。医療機関の役割分担が迫られるなか、サービス付き高齢者向け住宅をはじめ、有料老人ホーム、グループホームなどが増加していることに気付いた。
「新規開設の施設や事業所の定員を合計すると501人でした。ベッド数に置き換えれば当地域でこの数字は巨大病院になります。当院は一般急性期ですが、入院患者さんの平均年齢が65歳以上であることを考えると、介護との連携が急務と感じました」(木ノ脇主任)
池田佳広院長の指示により、介護施設・事業所との関係を築くために、直接、顔を合わせる機会を設定。訪問活動をはじめ、医療講演として施設や自院で研修会や講習会を看護・介護職員を対象に行っている。
たとえば、中島由美子・看護副主任(皮膚・排泄(はいせつ)ケア認定看護師)は毎月1回、医療講演を実施(第3金曜日)。定員20~25人とし、褥瘡(じょくそう)予防の基本知識やメカニズム、スキンケアの方法、正しいオムツの当て方などテーマは多彩。座学のみならず、参加者が体験する実践的な内容が好評で、毎回、盛況だ。今までに26施設で行い、計196人が参加した。
ここ数年は12の介護施設・事業所と賀詞交歓会や納涼会も開催。さらに介護施設の入所者さんが入院した場合、地域連携室が介護施設に入所者さんの情報を提供するなど、信頼関係の構築にも余念がない。地道な努力が奏功し、最近は介護施設からの患者さんが増えているという。「当院は継続性を大事にしています。地道な努力が実を結んだと思っています」と、地域連携室の山下泰彦職員。