2017年(平成29年)6月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1087 四面
宮古島徳洲会病院
地域包括ケア病床など
増床で地域に貢献
「地域のニーズに応えます」と増成院長(左)、新里徳二事務長
宮古島徳洲会病院(沖縄県)は5月1日、増床した9床の稼働を開始、地域の医療ニーズに応えていく。障害者病床が6床増え36床に、地域包括ケア病床が3床増え10床になった。一般病床は変わらず53床。今回の増床は、徳洲会伊良部島診療所からの病床移動によるもの。
15年10月の時点で、県から9床増床の認可は下りていたが、増床にともなう人員確保に時間を要したため、今年5月からの稼働となった。看護師、看護助手を合わせて6人増員した。
同診療所は宮古島の北西に位置する伊良部島唯一の有床診療所だったが、まず2014年6月に19床を9床とし、10床を同院に移動。その後、15年1月に宮古島と伊良部島をつなぐ大橋が開通したため同年10月に同診療所を無床とし、残りの9床を同院に移した。
宮古島病院の増成秀樹院長は、「これまでもベッドの平均稼働率は90%を超えていました。増床は地域の方々から待ち望まれていたことでもあるので、その期待に応えたいです」と意気込んでいる。障害者病床と地域包括ケア病床を増床したのは、地域の医療ニーズに応えた結果だ。両病床とも宮古島では同院にしかなく、他院からの紹介も多かった。
宮古島と伊良部島をつなぐ伊良部大橋
地域包括ケア病床とは、一般病床で治療後、病状が安定した患者さんにリハビリなどを提供し、在宅復帰を支援するための病床。
同院は、在宅復帰支援を病院一丸となって取り組むため、これまで一部のスタッフしか把握していなかった在宅復帰率などの数値を、朝礼で全スタッフと共有するようにした。
「たとえば肺炎の患者さんも、地域包括ケア病床でしっかりリハビリをして退院するほうが、退院後の経過が良くなります」と増成院長は事例を挙げ、「今回の増床をきっかけに、各病床の役割を全スタッフであらためて認識し、それに応じた医療に努めていきます」と決意を新たにしている。