徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2021年(令和3年)5月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1286 一面
加藤部長(左から2人目)や夏目医師(その左)らが対応
東京西徳洲会病院は高精度放射線治療装置であるトモセラピー「Radixact with Synchrony」を導入、4月1日に稼働開始した。同院では主に乳腺腫瘍センターや泌尿器科、歯科口腔(こうくう)外科が連携し使用。渡部和巨院長は地域のがん患者さんへの一層の貢献を目指す。
同装置の最大の特徴は精度の高さ。がんの位置や大きさに合わせて放射線量や強さを変え、集中的に照射するIMRT(強度変調放射線治療)機能を装備、正常な臓器を避けながら、がんの複雑な形に合わせて360度全方向から放射線を照射できる。
また、CT(コンピュータ断層撮影)機能を有し、治療計画時と治療直前の撮影画像間の位置のずれをコンピュータ制御下で補正したうえで照射するIGRT(画像誘導放射線治療)機能や、治療後に正しい位置や線量を検証するためのツールなども備えている。
追尾機能を搭載しているのも大きな強み。呼吸などで動く標的を追尾し照射できるため、高精度な治療が可能だ。こうした機能により、正常組織への照射リスクを抑え、治療時間も短くなるなど患者さんの負担軽減を実現する。
加藤雅宏・放射線科部長は「外来でも対応できる放射線治療が注目されています。治療の際には患者さんに意図をきちんと説明し、納得したうえで臨んでもらえるように気を付けています。医学物理士、臨床放射線技師と一緒に一例一例を丁寧に治療していきます」と意欲的だ。
夏目奈奈・放射線科医師は「放射線治療が有効であるというエビデンス(根拠)が次々に出ており、対象疾患も広がっています。今後は臨床で、より使いやすい活用法を模索していきたいです」と抱負を語る。
徳洲会グループでは南部徳洲会病院(沖縄県)、野崎徳洲会病院(大阪府)、和泉市立総合医療センター(同)、岸和田徳洲会病院(同)、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)もトモセラピーを導入している。