徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)4月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1283 一面

長崎北徳洲会病院
医療機能拡充し5月1日に新築移転オープン
入院患者さんへの透析も新たに開始

長崎北徳洲会病院(108床)は5月1日、北東方向に約3㎞離れた長与町北陽台に新築移転オープンする。現病院は築40年ほどが経過しており、建物の老朽化、診療機能の拡充を理由に建て替えた。回復期リハビリテーション病棟を現在の20床から30床に拡大、入院透析の受け入れ、3Dマンモグラフィー(乳房X線)の新規導入による婦人科検診の開始などにより、救急・急性期から回復期、さらには予防医療まで充実、地域医療にいっそう貢献していく。

回復期リハビリ病棟を30床へ拡大

小高い丘の上に建つ地上6階建ての新病院小高い丘の上に建つ地上6階建ての新病院

長崎北病院は建物の新築にともない、現所在地の長崎市滑石から北東方向に直線距離で約3㎞の長与町北陽台に移転、街並みを見渡せる小高い丘の上にオープンする。地上6階建で、敷地面積約9950㎡、延床面積は約1万2599㎡で、敷地面積は旧病院の2・6倍の広さになる。

鬼塚正成院長は「これまでコロナ禍での密が気になっていましたが、新病院では広さにゆとりをもてました。院内の感染対策も一段と強化し、より安全、安心な医療を地域の方々に提供することができます」と強調。さらに「新築移転先では半径2㎞以内に救急指定病院がないため、当院が救急医療の中心的な役割を担うことになります」と決意を新たにする。

また、新築移転先の長与町は長崎市のベッドタウンで、若年層が多いのが特徴。このため学生や社会人が来院しやすいよう夕診を強化する計画で、これまでの内科と外科に加え、鬼塚院長が月曜と木曜に脳神経外科の夕診を担当する。専門外来も夕診対応を調整する。

受け付けは長崎らしくステンドグラスで飾り付け 受け付けは長崎らしくステンドグラスで飾り付け

同院は新築移転後、回復期機能を強化する方針。障害者病棟の一部を転換し、現在20床の回復期リハビリ病棟を30床に増床する。4月から最も病棟基準が高い「回復期リハビリテーション病棟入院料1」を取得。新病院が立地する地域に同入院料1の取得病院はほかになく、新病院に大きな期待が寄せられている。同入院料1は言語聴覚士によるリハビリプログラムの提供が必須、社会福祉士の配置も義務付けている。看護師の人員配置も充実し、手厚いリハビリを受けることができる。

3Dマンモで婦人科検診

また、2階に31床の透析室をオープンし、入院患者さんに対する透析治療を開始。長崎市以北の地域には透析施設が少なく、院内で透析ができるのは、入院患者さんにとって療養環境の改善にもつながる。鬼塚院長と野中孝一・外科部長が福岡徳洲会病院で研修を受け、透析患者さんに対応する予定だ。

さらに、3Dマンモグラフィーを新規導入。同装置は複数の角度から乳房を撮影、その画像を3D映像に再構築できるX線撮影装置で、従来装置では判定が困難だった乳腺組織と重なる病変も、より鮮明に描出することができる。3Dマンモグラフィーを用い婦人科検診も開始する。

鬼塚院長は「予防から急性期、回復期と、それぞれの機能を強化しました。可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域包括ケアシステム構築の推進に寄与していきます」と意気込みを見せている。

病室までコーヒーを配達

景色の良い中庭でもリハビリができる
景色の良い中庭でもリハビリができる

新病院の1階エントランスホールは、ステンドグラスなど歴史ある長崎らしいインテリアで飾った。入り口のすぐ隣には、長崎県内に店舗を構えるコメコヤコーヒーが入店。アレルギーに配慮した米粉を使った商品や美味しいコーヒーを販売、病室にもデリバリーする。

救急・急性期医療を強化するため、1階から2階にかけて救急初療室、手術室、放射線部門などが連携しやすい動線で配置。将来的にハイブリッド手術室(手術台と心・血管X線撮影装置を組み合わせた手術室)の設置や画像診断装置の増設に備え、フレキシブルに対応できるようにした。

1階の診察室や検査室、2階の専門外来の診察室はすべて個室とし、個人情報やプライバシーに配慮。3階以上は病棟で、3階が回復期リハビリ病棟(30床)、4階が障害者病棟(27床)、5階が急性期一般病棟(51床)となる。それぞれの病棟は壁を色分けし、見た目にもわかりやすくした。病棟ではオープン型のスタッフステーションを採用し、患者さんとのコミュニケーションを取りやすいように工夫。3階の北側はリハビリ室。畳のスペースもあり、作業療法をする際に重宝する。また、リハビリ室に直結する中庭に、手すりの付いた緩やかなスロープも設置、長崎百景に選定されている琴ノ尾岳を望む開放感のあるスペースでリハビリができる。最上階の6階には職員食堂や大会議室を設け、職員間の交流の場にした。

鬼塚正成院長 災害と感染に強い新病院

鬼塚正成院長

長崎県はもともと地震が少なく、1982年に記録的豪雨に襲われた時も長与町では水害が起きませんでした。さらに高台に建つ新病院は、もし河川が氾濫しても安全だと言えます。

4階には県の要請があれば、いつでもコロナ専用病床として運用できるスペースを確保し、入り口からの動線も一般患者さんとは別に設定しました。当院は年明けにクラスター(感染者集団)発生を経験しましたが、新病院では心機一転、より感染対策を強化します。

新病院では入院患者さんに対する透析も開始します。そのために、私が福岡徳洲会病院で研修を受けています。当院にはまだ透析専門の常勤医師がいないため、今後はグループ病院と連携しながら対応していきたいと考えています。

大浦順子・看護部長 急性期から回復期まで対応

大浦順子・看護部長

当院は急性期から回復期まで対応するケアミックス病院です。新築移転先では周囲に救急指定病院がないため、救急患者さんが増え、より質の高い救急医療が求められるようになります。そのため専門知識や技術はもちろん、心のケアもできる看護師を育てていきたいと考えます。

また、当院は4月より「回復期リハビリテーション病棟入院料1」を取得しました。より重症度の高い患者さんへの対応が求められるため、リハビリ室と連携し早期介入することで、在宅への早期退院につなげられるように進めていきます。

病棟はオープン型のスタッフステーションになります。患者さんとの距離が近くなるので、安心感にもつながります。

楠原省仁・事務次長 5月に西彼杵医師会へ加入

楠原省仁・事務次長

新築移転先で5月に西彼杵医師会に加入することが決まりました。地域の医療施設の方々と新たに良好な関係を構築するために、患者さんをご紹介していただいた時は、治療後や退院時などに頻繁にご報告し、信頼していただけるよう心がけます。

また、地域の救急指定病院は当院だけですので、急性期の治療が終わった際に、診療所にご紹介することも多くなります。当院の急性期病棟は51床ですので、地域でしっかりと連携していきたいと考えます。

築40年以上の現病院では、患者さんにご不便をかけることもありました。新病院では療養環境が格段に改善されるため、患者さんに安心して快適に治療に臨んでいただけることが、何よりうれしく思います。

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