2020年(令和2年)8月31日 月曜日 徳洲新聞 NO.1251 三面
老健はさま徳洲苑と
介護付き有料ホームはさま
感染発生に備え研修
介護老人保健施設(老健)はさま徳洲苑(千葉県)と隣接する介護付き有料老人ホーム(有料)はさまは8月4日、施設内で感染対策研修を行った。新型コロナウイルス感染症の施設内感染が生じた時に備えるのが狙い。当日は関連病院の千葉徳洲会病院と連携し、同院の相内ひとみ看護主任(感染管理認定看護師)を講師に招聘(しょうへい)、主に入所スペースのゾーニングと感染防護具の正しい着脱方法を学んだ。
ゾーニングや防護具着脱学ぶ
ゾーニングについてアドバイスする相内主任(右手前)
研修は、まず老健はさま徳洲苑の入所フロアで行い、その後隣接する介護付き有料はさまの入居フロアで実施した。老健はさま徳洲苑では吉田操施設長(医師)や辻みゆき事務長をはじめ看護師、介護職員、リハビリテーションセラピスト、管理栄養士、厨房員、事務職員ら計約90人、介護付き有料はさまでは介護職員約10人が受講した。
まずゾーニングの方法について学び、あらかじめ施設が施したエリア分けを相内主任がチェック。そのうえで参加者から質問を受ける形で進んだ。
参加者とのやり取りで、相内主任は感染リスクが高いレッドゾーン、感染リスクが低いグリーンゾーン、その間のイエローゾーンを明確にし、できるだけ人と人とが交わらないことを基本に強調。
そのうえで、①レッドゾーンのスタッフがイエローゾーンに移動する際、エリアを仕切る仮カーテンには触れず、イエローゾーンのスタッフが開ける、②レッドゾーンからイエローゾーンへの移動にともない防護具を脱ぐ際にウイルスが体に付着しやすいため注意する、③専用電話の設置など離れた場所でも通信できるようにする――など具体策を挙げ、「環境の整備、ルールづくりとその徹底が肝要」と説いた。
多くの職員が協力し合って対応する大切さも示唆。「とくにレッドゾーンでは配置するスタッフを午前と午後で入れ替えたり、夜勤をはじめ人が少ない状況であればイエローゾーンに待機し、必要に応じて移動したりしても良い」とし、「精神的な面も含め負担が大きいだけに、頑張りすぎないようにスタッフ同士で協力することが不可欠」と加えた。
参加者からは消毒に用いる液体の種類や空調設備、換気の仕方など細かい質問が次々と寄せられ、相内主任が一つひとつ丁寧に回答。厨房員が施設内で検討している食事の配膳・下膳方法に問題ないかを確認する場面も見られた。
その後、スタッフは感染防護具の正しい着脱方法を学習。看護師が実際に医療ガウンや手袋、キャップ、ゴーグルなどを着脱し、適宜、相内主任がアドバイスした。他の職種は、その様子を周囲で見守りながら学んだ。
相内主任は、ここでもスタッフ同士が協力し合う重要性を訴え、着脱をサポートしたり互いに確認したりしながら、きちんと行うことを促した。
研修は4時間に及び、最後に責任者による会合で相内主任が講評。現場スタッフが抱く不安や恐怖への理解・共感を求め、「関連病院には感染対策チーム(ICT)がありバックアップ体制が整っています。何かあれば相談に乗るので、安心して一緒に取り組みましょう」と呼びかけた。
老健はさま徳洲苑、介護付き有料はさまのいずれも、ゾーニングや感染防護具の着脱をテーマにした研修は初めて。4月に一度、施設内感染が発生した想定でシミュレーションを実施したが、スムーズにできなかったため今回、研修を企画したという。
「新型コロナウイルス感染症は保健所が入院先の医療機関を選定するため、医療機関が決定するまで施設内で隔離しなければなりません。シミュレーションでは居室の移動を試みたものの、うまくいかず時間を要しました」と、老健はさま徳洲苑の辻事務長。
感染防護服の正しい着脱方法を確認
その経験から、吉田施設長の指示の下、自分たちでゾーニングなどを試みた。介護施設は設備に余裕がないため、仮カーテンに緩衝材やビニールシートを用いるなど随所に工夫を凝らしたものの、それらが本当に有用かどうかを確認する意味も含め「今回、研修を開いて相内主任の指導を仰ぐこととなりました」と説明する。
参加した同苑の澤田洋子・介護副主任(介護福祉士)は「感染のスペシャリストの話を聞くことができ、多くを学ぶとともに自信にもつながりました」と振り返り、「もし発生した時は仲間と協力して学んだことをしっかり実践できるようにしたいと思います」と語気を強めた。