徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)5月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1236 三面

老朽介護施設を改修
徳洲会グループ 築20年超目安に順次

徳洲会グループは老朽化した介護施設の改修を進めている。主に病院などに併設していない独立型で、築20年以上が対象。浸水防止をメインに、内装の改修や設備の更新などを図り、利用者さんの生活環境や職員の職場環境の改善につなげる。すでに介護老人保健施設(老健)秋名の郷(鹿児島県)、老健あいの郷(埼玉県)、老健千葉徳洲苑が工事を終え稼働。現在、関西の2老健で工事を行っており、今後、状況に応じて東北や北海道などの施設でも検討していく。

台風や塩害により劣化が著しい老健秋名の郷は外壁亀裂の補修と全面塗装で、きれいな外観に台風や塩害により劣化が著しい老健秋名の郷は外壁亀裂の補修と全面塗装で、きれいな外観に

徳洲会グループの方針として、老朽化にともなう介護施設の改修工事が決定したのは2018年。主に“築20年を超える独立型施設”を対象とし、該当する18施設を一般社団法人徳洲会(社徳)建築部が現地調査、この結果をもとにグループの幹部会などを経て順次、実施していくこととなった。改修は建物の“寿命”に直結する「浸水防止」をはじめ「内装の改修」、「老朽化した設備の更新」、入浴や食事、排泄(はいせつ)など「介護を提供する場面・場所での不具合の改善」を柱に、各施設の状況に応じて実施。

離島と関東の3老健完了

老健あいの郷は洗面台を増設。食後の歯磨きによる利用者さんの長蛇の列も改善老健あいの郷は洗面台を増設。食後の歯磨きによる利用者さんの長蛇の列も改善

第1号は奄美大島にある老健秋名の郷で、19年に着工した。従来、コンクリートのままだった屋上やバルコニー、中庭などのシート防水に加え、外壁の亀裂補修と塗装、建具(ドアなど空間を仕切るものの総称)の改修など全面的に防水対策を強化。居室の壁・天井・床の全面塗装や張り替え、廊下やデイルームの床材の張り替え、排気ファンやダクトの交換なども行った。

「介護を提供する場面・場所での不具合の改善」では、トイレの手すりを固定式から上下に可動するタイプに変更。車いすや歩行器からの移乗がしやすく利用者さんの自立支援や、排泄介助も行いやすくなり職員の腰痛予防につながった。別々だった特殊浴槽と一般浴槽のエリアを同一化し、利用者さんの安全確保、職員の負担軽減も実現した。

台風が多い地域で、外観工事では時期をずらして足場を組み替えなければならないこともあり、改修が終了したのは昨年12月。泉公博・事務長代行は感慨深げに「利用者さんやご家族には『施設内が明るくなった』など大変喜んでいただいています」。床材が清掃しやすいタイプに変わり、「利用者さんの感染症に対する不安が軽減した」など職員にも好評だという。

コンクリートのままだった屋上にはシート防水を施工(老健千葉徳洲苑)コンクリートのままだった屋上にはシート防水を施工(老健千葉徳洲苑)

老健あいの郷は昨年5月から今年2月にかけて全面リニューアル。浸水防止対策はもちろん、居室や食事、入浴に関する改修を行い、介護の質や業務効率の向上を果たした。「利用者さんやご家族からは居室が以前よりも広く感じられると好評です。ほかにも温冷配膳車の利用が可能になり、利用者さんへの食事提供がスムーズになったり、浴槽の増設や位置変更などで入浴介助の時間が30分短縮できたりしました」と荒井優子・介護士長。利用者さんが過ごす食堂の洗面台を増設し、食後の歯磨きにともなう混雑も改善したという。老健千葉徳洲苑も屋上やバルコニーなどへの浸水防止対策や内装の改修、ナースコール設備の更新を行った。

3施設以外に現在、老健岸和田徳洲苑(大阪府)と老健八尾徳洲苑(同)が工事中。今後、社会情勢やグループの経営状況をふまえたうえで順次、改修を検討していく予定だ。社徳建築部の金野重喜係長は「今の介護の潮流なども考慮し、少しでも利用者さんが過ごしやすい施設、スタッフが働きやすい施設となるようサポートしたいです」と積極姿勢を見せる。

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