徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)3月2日 月曜日 徳洲新聞 NO.1225 四面

データと論理 活用法を学ぶ
徳洲会グループ事務長研修会 スキルアップ研修は初

一般社団法人徳洲会はグループ病院を対象に事務長研修会を開催した。今回は初めてスキルアップを目的に研修を行った。東日本で33人、西日本で31人の事務長が参加。外部講師として昨年8月の第4回徳洲会病院長研修会で講師を務めたメディカルクリエイトの遠山峰輝代表を迎え、問題解決スキルなどをテーマに講義とグループワークを実施した。

問題の本質つかみ解決策立案

「最優先に解決すべき課題を絞り込むのが大切」と遠山代表 「最優先に解決すべき課題を絞り込むのが大切」と遠山代表

研修会は1月17日に東日本の病院、31日に西日本の病院がそれぞれ2日間、同様の内容で開催。初日の冒頭、遠山代表は自己紹介をした後、「コンサルタントには、ふたつのタイプがいます」と前置きし、ひとつは「グレイヘアコンサルタント」で、経験と知識をベースに、ひとつの分野を極めたコンサルタント。もうひとつは「ファクトベースコンサルタント」で、データと論理で一つひとつの問題を解決していく手法と説明。「今回はファクトベースコンサルタントにとって重要な問題解決スキルを学んでいきます」と研修の意図を明かした。

研修会はあらかじめ参加者を6~7人のグループに分けて実施。講義に加え、理解を深めるための演習問題やケーススタディに各グループで取り組み、最後にその内容を発表、ディスカッションなどを行った。

最初の講義テーマは「問題解決スキルの重要性」。まず「問題点はいくつも挙げられますが、そのなかから最優先に解決すべき課題を絞り込むことが大切です」とアドバイス。さらに、避けたい問題解決の手法は「経験や勘に基づく、表面的な理解で、漠然とした解決策を挙げ、号令にとどまる」のに対し、あるべき問題解決は「ファクトと論理に基づき、問題の本質をつかみ、実行可能な解決策を立案し、実行し成果を出すこと」と示した。

次に「問題解決のコアスキル」と題し講義。考え方のポイントとして、①「ゼロベース思考」は、既存の狭い枠内で多くの否定的要素を考えるのではなく、大きな枠に広げて可能性を求めること、②「論理的思考」は、出した結論に対し説得力のある理由をもっていることで、理由に漏れがないか、だぶりがないかをチェックすることが必要、③「仮説思考」は状況説明型とは逆に、つねにその時点での結論をもってアクションを起こすことと解説した。

東日本のグループ病院からは33人の事務長が参加 東日本のグループ病院からは33人の事務長が参加
西日本のグループ病院からは31人の事務長が参加 西日本のグループ病院からは31人の事務長が参加

技術のポイントとして①「ミーシー(MECE= Mutually Exclusiveand Collectively Exhaustive)」とは、ロジカルシンキングの基本概念で、それぞれが重複することなく、全体集合として漏れがないという集合体の考え方、②「論理ツリー」は主要課題をミーシーの考え方に基づき、ツリー状に分解・整理したもの、③「問題解決シート」は4つのプロセス(課題の設定、課題の分解、仮説の立案、仮説の証明)を管理する道具――と説明した。

続いてケーススタディでは「地域医療連携」をテーマにグループワークを実施。A病院の入院患者数増加を図ることを目的とし、院内の聞き取り調査や各種データを基に、グループ内でディスカッション。各グループとも趣向を凝らした論理ツリーや問題解決シートを作成、ほかのグループの発表に対し「自分にはなかった発想です……」など感想を漏らす参加者もいた。

初日の最後の講義は「コミュニケーションのスキル」。素晴らしい提案も相手に伝わらなければ意味がないとし、悪例を示しながら問題提起。伝えるためのポイントでは、チャート化のコツとして①ワンメッセージ・ワンチャート、②メッセージとチャートの中身の整合性を取る、③棒グラフ・折れ線グラフが基本、④大事なところをハイライトする、⑤いくつかの応用パターンを意識する、⑥考えをチャートで表現する――について、それぞれ例を挙げながら説明した。

結論・理由・方法が大事

遠山代表が各グループを回りアドバイスしながら進める 遠山代表が各グループを回りアドバイスしながら進める

メッセージの構成方法では「結論」、「理由」、「方法」の3つの要素がそろっていることが大事であると強調。また、コミュニケーションで相手に期待する反応は「理解」なのか「意思決定」なのか「行動」を促しているのかなど、想定するのも必要であると言及した。

2日目の最初は、一般社団法人徳洲会法務部の八木圭太郎部長が「コンプライアンス」について説明した後、研修スタート。まず「フレームワークのスキル」と題し講義した。フレームワークとは情報を分類し整理する手法。そのコツとして①フレームワークはミーシーである必要がある、②フレームワークにはいろいろな切り口がある、③目的に合致したフレームワークを選択する、④分け方は主観的ではなく客観的である必要がある――を挙げた。

また、代表的なフレームワークとして、たとえば3C(市場: Customer、競合: Competitor、自社: Company)などを列挙し、「ただしフレームワークは目的に応じ、その都度考えることが一番大事です。その際には4つのコツを思い出してください」とアドバイスした。

最後のケーススタディでは、「収支改善」をテーマにグループワークを実施。大きな赤字で困っているA病院の幹部として、同類の病院で利益率の良いB病院を含む地域の複数の病院のデータと自院(A病院)データを比較、分析。A病院の赤字の深刻さを数値化し、A病院とB病院の利益格差の原因を探るという課題に取り組んだ。

グループごとに話し合った内容をホワイトボードにまとめ発表 グループごとに話し合った内容をホワイトボードにまとめ発表

研修会を終え、東日本で参加した事務長からは「大変わかりやすい研修だったので、楽しく受講できました。院内で他の職種にも今回の内容を普及させていくことが必要だと感じました」、「当初は今さら問題解決スキルかと考えていましたが、実際に受講したら有意義で、頭のトレーニングになりました」など感想が聞かれた。

西日本で参加した事務長からは「これまで実績を追ってはいましたが、細かく分析までしていませんでした。自院に戻り、各部署の責任者と共有したうえで生かしていきたいと考えます」、「固くなっていた頭がほぐされました。事務職が医師や看護師と話す際には、データがなければ説得力に欠けますので、今後しっかり数字を活用していきます」、「日頃、自分が経験と感覚で仕事していたことを痛感しました。今後はもっと頭を柔らかく使っていきたいと思います」など意欲的な声が上がっていた。

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