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Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)2月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1222 三面

医療危機 ドラッカーから学ぶ
中央大学大学院 真野教授が講演

「患者さんの主観を大切に」と真野教授 「患者さんの主観を大切に」と真野教授

真野俊樹・中央大学大学院戦略経営研究科教授(多摩大学大学院特任教授)は「医療危機:高齢社会とイノベーション・働き方も踏まえて」と題し講演した。まず自著『日本の医療、くらべてみたら10勝5敗3分けで世界一』を紹介。そのなかで3敗とは「最先端医療への取り組み」、「処方される薬の量」、「病院の規模」と明かし、日本の医療を良くするため、これらをてこ入れする重要性を示した。

日本の医療危機を示す状況として、2018年の対GDP(国内総生産)保健医療支出は36カ国中6位(10・9%)であり、その要因のひとつに高齢者の急増、生産年齢人口の急減を挙げた。また、医療経済学では①安いコスト、②良い質、③良いアクセス――の同時達成は難しいとされるなか、日本では医療者による献身で達成されてきた状況も提示。今後は働き方改革、地域医療構想などにより、医療へのアクセスが悪くなる見込み。

これに対し、経営学者のピーター・ドラッカーの言葉を参考に政策の方向性を考察。慢性期医療にかかる医療費を、公的保険外のサービスを活用した予防・健康管理にシフトすることにより、国民の健康増進、医療費の適正化、新産業の創出を同時に実現できるという考えを紹介し、さらに高齢者の労働力を確保する重要性を示した。

今後の展望として、ICT(情報通信技術)の活用にも言及。医療に対してアクセスが良くない国では、ICTを使ったアクセスの改善を行っており、それは結果的に医療費の抑制につながるかもしれないという仮説を披露した。

また、自著『治療格差社会 ドラッカーに学ぶ、後悔しない患者学』から、「医師などの医療者に患者が思っていることをしっかり伝えることができるかどうかで受けられる医療が異なってくる」という一節を紹介。

これを受け真野教授は、「決めているのは自分だという患者さんの信念を大切にし、患者さんの希望を受け止めるのが21世紀の医療のあり方だと考えます」と結んだ。

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