2019年(令和元年)10月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1207 一面
旅行透析など背景に
笠利病院の透析患者数増
グループ病院との連携も強み
「多職種が協力し、より良い透析医療を提供したい」と職員
奄美大島にある笠利病院(鹿児島県)の透析患者数が増えている。透析医療を開始した2011年当時の2人から、現在20人前後で推移。登録患者さんだけでなく、同島に来島した透析患者さんに対応する時もあるという。
「地域のニーズが高く装置を増台したこともありますが、とくに最近は空港から車で10分という地の利が影響しています。格安航空会社の就航や奄美大島の観光人気も相まって、島外の方による“旅行透析”が顕著に増えています」と山畑幸代・看護師長は説明する。旅行透析の患者さんが利用しやすいように、飛行機の時間に合わせ透析の開始時間を変更するなど「柔軟な対応も好評です」(山畑・看護師長)。
徳洲会グループ病院との連携により質も担保。11年当初から湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の小林修三・院長代行兼腎臓病総合医療センター長が精力的に支援し、2か月に一回、同センターの日髙寿美・腎移植内科部長が同院を訪問、管理した。現在は笠利病院の二宮正・内科医師が管理・運営している。
もちろん、島の中心部に位置する名瀬徳洲会病院、南部に位置する瀬戸内徳洲会病院とも連携。「島のどこにいても関連施設にアクセスしやすいというのは本当に当院の強み」と前田富美看護師は強調する。
山畑・看護師長は「岡進院長が痛みの少ない緩和療法などを取り入れたり、管理栄養士が個々の嗜好に配慮した食事に力を入れたりするなど、より良い透析医療の提供に病院全体で取り組んでいます。今後も継続していきたいです」と意欲的だ。