徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)3月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1174 一面

世界的医学誌
膵がん研究論文掲載
札幌東病院 表紙にイメージ図

がん化経路イメージ図が表紙に がん化経路イメージ図が表紙に

札幌東徳洲会病院医学研究所の水上裕輔・がん研究部部門長(旭川医科大学内科学講座消化器・血液腫瘍制御内科学分野准教授)が統括した膵(すい)がんの多施設共同研究に関する論文が、消化器分野の世界的なトップジャーナルである米国消化器病学会『Gastroenterology』誌(2019年2月号)に掲載された。

研究内容を示すイメージ図が同誌の表紙を飾るとともに、重要論文として“ 今月の注目記事(Issue Highlights)” にも選ばれた。論文の筆頭著者のひとりは札幌東病院医学研究所の小野裕介・臨床生体情報解析部部門長。

この研究では、遺伝子変異の解析技術を活用し、膵臓にできた腫瘍性嚢胞(のうほう)ががんに変化する新たな経路を発見。膵がんを早期発見するスクリーニング(選別)検査技術への応用など、がんゲノム(全遺伝情報)医療の進展が期待できる成果だ。

膵がんの前駆病変(がんの前段階の病変)である膵嚢胞のうち、最も頻度が高いのが膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)。IPMNに関連する膵がんは従来、IPMNが直接、がん化するIPMN由来がん(Sequential)と、IPMNとは別の場所の病変が、がん化する併存がん(De novo)の2種類が知られていた。

研究では遺伝子変異の蓄積パターンから、IPMNと同一起源の病変が枝分かれし、その後、独立した病変を形成する新しい発がん経路(Branch-off)を発見した。

具体的にはIPMNに関連した膵がんで、外科手術を受けた30人の患者さんの切除組織から、計168カ所の検体を採取。顕微鏡レベルの微小な病変の分布にも着目し、病理学的評価をふまえて、同院が所有する次世代シーケンサー(高性能な遺伝子解析装置)を活用し、病変ごとに、遺伝子変異パターンの違いなどを解析した。

発がん経路によって遺伝子異常のパターンが異なるため、血液や膵液、十二指腸液から高精度で検出できれば、膵がんの早期診断や、治療効果の予測などに応用できる可能性がある。

PAGE TOP

PAGE TOP