ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2018年(平成30年)7月2日 月曜日 徳洲新聞 NO.1140 一面
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は2020年に「湘南鎌倉先端医療センター」の開設を計画している。がん医療に関し、化学療法や放射線治療の標準治療はもちろん、先進的な臨床・研究施設として、陽子線治療やBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)、RI(放射性同位元素)内用療法、PET(陽電子放射断層撮影)を用いた創薬研究・支援などに取り組む方針だ。4月に着任した井上登美夫センター長は群馬大学医学部核医学講座助教授や横浜市立大学医学部放射線医学講座教授、同大医学部長などを歴任し、日本核医学会理事長を務めた経験もある。井上センター長に構想などを語ってもらった。
井上センター長
先端医療センターは湘南鎌倉病院の南西側の隣接地に建設。計画では地下1階地上4階建て。目玉となる陽子線治療装置やBNCTは1階に配置する。陽子線は体表面から深い位置でエネルギーが急速に高まり、その後、急速に低下。狙った病変に強い線量を効率良く集中し、他の正常組織へのダメージが軽減するのが特徴だ。4月の診療報酬改定で保険適用が拡大され、頭頚(とうけい)部がん、骨軟部がん、前立腺がん、小児がんの一部が保険診療となった。先端医療センターの完成予想図(赤線で囲んだ建物)
2階にはCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像診断)、マンモグラフィー(乳房X線撮影)、内視鏡室などを備えた健診センターを設置。将来的には遺伝子診断も取り入れる。3階には医薬品・医療機器開発の第Ⅰ相試験(フェーズⅠ)などを行う研究施設、外来化学療法室を配置。4階は幹細胞などを用いた再生医療設備を入れる。