徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)6月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1138 二面

日本口腔ケア学会
徳洲会から6演題
吹田徳洲会病院の宮崎・歯科衛生士
優秀口演賞

第15回日本口腔(こうくう)ケア学会総会・学術大会が4月28日から2日間、福岡県内で行われた。徳洲会からは東京西徳洲会病院の佐野次夫・副院長兼歯科口腔外科部長が座長を務めたほか、多職種が6演題を発表、うち1演題が優秀口演賞に選ばれた。

脳出血後の口腔ケアの重要性を訴える鎌ケ谷病院の杉田・歯科衛生士 脳出血後の口腔ケアの重要性を訴える鎌ケ谷病院の杉田・歯科衛生士

優秀口演賞に選ばれた吹田病院の宮崎・歯科衛生士 優秀口演賞に選ばれた吹田病院の宮崎・歯科衛生士

吹田徳洲会病院(大阪府)の宮崎潮音・歯科衛生士は「当科における乳癌、胃癌、大腸癌に対して化学療法を受けた患者に対する周術期口腔機能管理の検討」で優秀口演賞を受賞した。がん治療での化学療法は口腔領域に有害事象を引き起こし、治療継続の妨げとなる。そこで頻度の高い有害事象を考慮した管理を検討し、実施頻度なども考える必要があると報告した。

鎌ケ谷総合病院(千葉県)の杉田美和・歯科衛生士は「被殻出血が原因となった筋緊張異常による口腔褥瘡(じょくそう)性潰瘍形成の1例」がテーマ。脳出血のなかでも頻度の高い被殻出血では、筋緊張異常による口腔内損傷を認める場合がある。症例では義歯の装着による物理的刺激の除去と口腔周囲筋へのアプローチが奏功。「脳出血後の積極的な口腔ケアが合併症予防に寄与します」と結んだ。

南部病院の口腔ケアの取り組みを紹介する謝花・歯科衛生士副主任 南部病院の口腔ケアの取り組みを紹介する謝花・歯科衛生士副主任

地元の歯科医師会との連携を報告する葉山ハートセンターの吉野看護師 地元の歯科医師会との連携を報告する葉山ハートセンターの吉野看護師

南部徳洲会病院(沖縄県)の謝花綾乃・歯科衛生士副主任は「当院における周術期口腔機能管理の取り組み」と題し発表した。2015年12月から2年間、電子カルテから手術登録している患者さんを抽出し口腔機能管理を実施。これにより術後肺炎や合併症の発生率が低下しただけでなく、「医師や看護師に、歯科衛生士による口腔ケア介入の重要性が認識されました」とまとめた。

葉山ハートセンター(神奈川県)の吉野明子看護師は「心臓血管外科周術期口腔機能管理の実際~地域歯科医師会との連携~」がテーマ。同院は歯科診療科をもたないが、逗葉歯科医師会と連携し口腔機能管理を実施。月1回の合同会議で症例ごとに問題点を改善したり、術前歯科受診の手順書を作成・院内周知したりした結果、同管理の実施率向上につながったと強調。

TAVIと口腔ケアの関連を報告する岸和田病院の姜・歯科口腔外科医師 TAVIと口腔ケアの関連を報告する岸和田病院の姜・歯科口腔外科医師

放射線治療後の口腔ケアを説明する東京西病院の小池・歯科衛生士主任 放射線治療後の口腔ケアを説明する東京西病院の小池・歯科衛生士主任

東京西病院の小池匡子・歯科衛生士主任は「IMRTにより重度粘膜炎を生じた口腔癌患者に周術期口腔機能管理をおこなった2例」と題し発表。口腔がん患者さんに強度変調放射線治療(IMRT)を行うと口腔粘膜炎が必発する。2症例提示し、実施した口腔ケアを説明。「患者さんに寄り添うケアにより、口腔面だけでなく精神面までケアできます」と報告した。

岸和田徳洲会病院(大阪府)の姜良順・歯科口腔外科医師は「当科でのTAVI患者に対する周術期口腔機能管理の導入について」をテーマに発表した。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)術後の感染性心内膜炎(IE)予防を目的に口腔機能管理を実施。開始半年と短期間だが、IEの発症がないことを報告、「IEとの関連を含め、同管理の効果について継続的な検証が必要」とした。

PAGE TOP

PAGE TOP