徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

直言

Chokugen

村上 城子(むらかみせいこ)(和泉市立総合医療センター院長(大阪府))

直言 生命いのちだけは平等だ~

村上 城子(むらかみせいこ)

和泉市立総合医療センター院長(大阪府)

2018年(平成30年)6月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1138

新築移転後に医師と診療科が増加
医療の幅が広がった喜びに感無量
患者さんの急増で職員が一層前向きに

和泉市立病院は4月1日、和泉市立総合医療センターと改称し、新築移転オープンしました。旧病院は築50年が過ぎ、近隣の病院やクリニックから紹介を受けても、「古い」、「汚い」と患者さんから断られる状況にありました。移転後は、当院への紹介に対し二つ返事で「はい」と言っていただけるようになったと聞いています。さらに和泉市以外の地域からも紹介をいただけるようになりました。

外来患者数は1日平均で4月は440人、5月は521人になり、1日当たりでは900人を超える日もありました。

救急も以前は、旧病院への搬送を患者さんが拒むケースもありましたが、今は「新しくなったあの病院に運んでほしい」と言われるまでになりました。それほどに新築移転効果はあるのです。外来や救急の患者さんが増えたこともあり、入院患者さんも大幅に増えています。

職員の意識も変わりました。新しい家に越した時のように、明るく広い環境に職員たちも爽やかな気分に浸っています。患者さんが急増したことでモチベーションも上がり、意識が一層前向きになっています。

以前からの在籍医師に刺激 多職種も活躍の場を広げる

患者さんから選ばれるようになったのは、単に病院が新しくなったからではありません。移転後、医師の数と診療科が増えたことにより、医療の幅が広がったことも大きな要因です。

当院は大阪市立大学医学部と近畿大学医学部から医師を派遣していただいています。当院の福岡正博総長が大阪市大を卒業され、近大で教授を務められたことによる人脈の賜物です。

以前は中枢神経疾患をはじめ、対応できない疾患がありました。新築移転を機に、新たに脳神経内科、脳神経外科、リウマチ・膠原(こうげん)病内科、内分泌・糖尿病内科、血液内科、泌尿器科、耳鼻咽喉(いんこう)科、形成外科を標榜(ひょうぼう)。泉州地区は脳神経外科医が少ないため、脳神経外科には多くの救急患者さんが搬送されてきます。

診療科が増えたことで、複数の病気をもっている患者さんを、より多く診られるようになりました。当院は合併症をもつ高齢患者さんが多いことから、今はまさに“医療者冥利”に尽きる思いです。透析センターも新たに設置。旧病院では透析患者さんに入院いただくことができなかったため、感無量です。

診療科の増加は、多診療科の医師や多職種が参加し、がん患者さんに最適な診療方針を決定するための会議(キャンサーボード)を充実させるといった効果ももたらしています。

さらに医師の増員により、今年度から基幹型臨床研修病院に再指定され、4月に2人の初期研修医が入職。こうした“新しい風”に刺激を受け、以前から在籍していた医師たちも、アクティビティが上がっています。

今までより仕事の量は増えていますが、川口いずみ看護部長が看護師と力を合わせ、医師に協力していることが心強い限りです。また、さまざまな側面からアドバイスをいただける岸和田徳洲会病院(大阪府)の東上震一院長(医療法人徳洲会副理事長)にも感謝しています。

新病院では既存の部門の拡充も図り、リハビリセラピストや臨床工学技士など、多職種が活躍の場を広げています。たとえばリハビリテーションでは、ロボットスーツのHALを導入。放射線治療では高精度放射線治療装置のトモセラピーが順調に稼働し始め、症例数も増えてきています。

喫緊の課題は看護師の増員 離島・へき地病院へ応援も

医療法人徳洲会が指定管理者となり5年目、地域との関係も良好です。和泉市の応援はありがたく、辻宏康(ひろみち)市長と市内4カ所でタウンミーティングを行うことが決定。和泉市医師会とは地域医療連携推進会議を開催し、協力を仰いでいます。

順風満帆に船出した新病院ですが、解決しなければならない課題もあります。まずは看護師の増員。急激な患者さんの増加と、診療科の拡大で、看護師が不足しています。想定をはるかに超えており、追い付けない状態が続いています。

ぜひ実現したいと考えているのが離島・へき地の徳洲会病院への応援です。医師が増えたものの、今のところ実現できていません。種々の課題を創意工夫で乗り越えたいと思っています。

当院に高い関心と大きな期待を寄せてくださる方々のため今後も全力投球してまいります。

皆で頑張りましょう。

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