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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)5月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1134 二面

湘南鎌倉総合病院
妊娠の個別対応学ぶ
出生前診断セミナー開催

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は3月31日、同院講堂で「Development of prenatal care ~人間味のある出生前診断を目指して~」を初開催した。同セミナーは3部構成で、医師、助産師、ジャーナリストなどが講演。医療関係者だけでなく、子ども連れの母親や妊婦さんなど70人ほどが参加した。

「お産にどこまで医療が介入するか」と問題提起する井上副院長 「お産にどこまで医療が介入するか」と問題提起する井上副院長

冒頭、井上裕美・副院長兼産婦人科主任部長が挨拶。「お産・妊娠とは何なのか、誰のためにあるのか、また、生理的な営みを大切にする一方、どこまで医療が介入すべきか、大きな2本の柱を考えていきたいと思います」とセミナーの狙いを説明した。

まず第一部の座長を務めた湘南鎌倉バースクリニックの日下剛院長が、基礎知識として「出生前診断の基本」を解説。国(集団)により異なる倫理を紹介したうえで、日本でのルールと出生前診断との向き合い方について問題を投げかけた。

湘南鎌倉病院の市田知之・産婦人科医長は「FMFでの妊娠初期スクリーニングおよび、当院での取り組み」をテーマに講演。市田医長はFMF(Fetal Medicine Foundation:イギリス胎児医学財団)での研修経験から、妊娠時の合併症リスクを予測する方法などを解説した。

とくに染色体異常のスクリーニング(選別)の時代による変遷を紹介し、統合型のスクリーニング法であるコンバインドテストによる染色体異常や解剖学的異常の検査、新型出生前検査(NIPT)の概要や結果の解釈について説明。

さらに同院産婦人科の取り組みとして、昨年12月から開始した妊娠初期スクリーニング外来の目的や実績を紹介。最後に市田医長は「妊娠中の合併症は、より精度の高いリスク評価プログラムを用いることで予測可能です。妊娠のリスクに応じた予防など、個々のマネジメントをすることができます」と訴えた。

セミナー後半には出生前診断で胎児に病気が見つかった経験のある母親も登壇。参加者からは「視点の異なるいろいろな講演が聞け、貴重な経験だった」と好評だった。

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