2018年(平成30年)4月2日 月曜日 徳洲新聞 NO.1127 二面
鈴木徳洲会理事長
未来へ向け挑戦を
タンザニア 初の腎移植も報告
一般社団法人徳洲会は3月24日から2日間、大阪府で3月度の徳洲会グループ医療経営戦略セミナーを開いた。鈴木隆夫理事長はセミナー初日の全体会合で、グループの今後の経営・運営方針について講演。このなかで「環境に順応したものだけが生き残る」と強調し、各グループ病院の院長に成長のタイミングを見逃さないよう訴えた。
「環境に順応したものだけが生き残る」と鈴木理事長
講演のなかで鈴木理事長は、成長し続ける企業が取っている5つの対策として、①成功を疑い、成功を恐れる、②一発逆転を狙うな、③残酷な現実を直視せよ、④答えはいつも「組織」にある、⑤絶対に屈服するな――を列挙。このうえで各グループ病院の院長に、年計(当月を含めた過去1年間の累計数字を毎月表したもの)からどのように経営対策を立てるべきかアドバイスを送った。
続いて、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)に先進医療センターと外傷センターを併設するプロジェクトが進行していることを説明。このなかで放射線治療の一種である陽子線治療(陽子線とは水素の原子核を加速器で加速しエネルギーを高めたもので、これを患者さんの病巣部に照射し、がんを死滅させる)の重要性を強調した。
海外支援プロジェクトにも言及し、このなかのひとつであるアフリカ・タンザニアの腎移植手術支援について近況を報告。同セミナー前々日の3月22日に、手術を終えた患者さんの尿が出たと連絡を受けたことを明かし、移植した腎臓が正常に機能したことを評価した。鈴木理事長は「宗教の違いを越え、国の違いを越え、人種の違いを越えて、命に対する思いはただひとつです。“生命だけは平等だ”。これを決して忘れてはいけません」と語気を強めた。
タンザニアの腎移植手術を終え笑顔あふれるスタッフら
最後に、人材育成と利益の確保について持論を披露。人材育成ではトップを越えることの重要性を示した。先代トップの構想と遺産で、しばらく生き続けても、その枯渇は思ったよりも早く来るとし、「新しい未来に向けた挑戦が必要です」とアピールした。
利益の確保では「病院は永久に存続しなければならないという至上命令を背負っています。このためには存続に必要な利益を確保しなければなりません。利益は社会貢献のためにあり、病院はつねに変化する市場に機動性と弾力性をもって臨まなければなりません。これができなければ病院は衰退するでしょう」。
同日夜の懇親会では、タンザニアから帰国したばかりの東上震一・医療法人徳洲会副理事長が現地での腎移植手術支援の様子を報告、会場から拍手が湧き起った。