2018年(平成30年)3月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1126 二面
徳洲会脳神経外科部会
Rag - Tag 2018
2年ぶりに開催
徳洲会グループ脳神経外科部会は中部徳洲会病院(沖縄県)で2日間、独自の研究会「Rag - Tag 2018」を開催した。一昨年に山梨県で開いて以来7回目。全国の徳洲会病院から16人の脳神経外科医師が参加し、治療法から教育まで幅広く意見を交わした。
幅広く意見交換(前列右から4 人目が兵頭院長)
会は、今回、世話人を務めた中部徳洲会病院脳神経外科の新垣辰也部長、部会長で野崎徳洲会病院(大阪府)の中川秀光院長による挨拶でスタート。初日は獨協医科大学埼玉医療センターの兵頭明夫病院長を講師として招き、特別講演を行った。テーマは「脳動脈瘤(りゅう)に対する血管内治療」。
脳動脈瘤は脳の動脈の一部が風船のようにふくらみ、こぶ状(瘤)になる病気。破裂するとクモ膜下出血を起こし、死に至るケースもある。脳動脈瘤の治療法は主に2種類あり、ひとつは開頭手術。根元を金属製のクリップで止め、脳動脈瘤への血流を止める。もうひとつは血管内治療。カテーテルを通し、瘤内にコイルなど人工的な物質を詰め込んで固め、破裂を防ぐ(塞栓術)。
兵頭院長は日本の脳動脈瘤に対する血管内治療の現状を説明。日本では脳動脈瘤に対して開頭クリッピング術を手がける医師が多く、治療成績も悪くないため、同治療法が主流としながらも、バルーンやステントなどデバイスの進化を背景に、近年は血管内治療が増えている様子を明かした。
「2002年当時は血管内治療の割合が15%くらいでしたが、現在は40%超にまで増えています。デバイスの種類が増えたり既存の製品の質が良くなったりしたことで、以前よりも血管内治療が行いやすくなった」と説明、いくつかのデバイスの特徴を示したうえで、自ら手がけた血管内治療の成績を披露した。
最後に新しい展開として、最近「フローダイバーター」という、従来のコイルを用いた脳動脈瘤塞栓術とは、まったく異なるメカニズムで治療するデバイスが開発されたことを紹介。「血管内治療は、まだまだ発展途上にあります」と可能性の大きさを示した。
2日目は症例発表会を行い、2つのセッションで計12演題の発表を行った。演者とテーマは次のとおり。
▼川﨑泰輔・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)脳神経外科医師「診断に苦慮した対麻痺の1例」▼大山憲治・松原徳洲会病院(大阪府)脳神経外科部長「Large olfactory groovemeningioma の1手術例」▼山本一徹・湘南鎌倉病院脳神経外科医師「経頭蓋MRガイド下集束超音波治療により視床中間腹側核破壊術を行った8例」▼権藤学司・同副院長「高齢者における上位頚椎損傷の特徴」▼新堂昌宏・野崎病院脳神経外科医師「再発性脊髄神経膠芽腫に対して外科的摘出を行った症例」▼北原功雄・千葉徳洲会病院副院長「必勝:聴神経腫瘍手術」▼上原卓実・中部徳洲会病院脳神経外科医師「脳出血をきたしたlow grade AVM に対し急性期に摘出術を行い術中ICGが有効であった一例」▼鬼塚正成・長崎北徳洲会病院副院長「屋久島での台風災害時に応援した1例と多発性細菌性脳動脈瘤破裂の1例」▼太田文人・白根徳洲会病院(山梨県) 名誉院長「Doublecancer に合併したTrousseau症候群の1例▼新垣辰也・中部徳洲会病院脳神経外科部長「クリッピング後に再発した動脈瘤に対し、血管内手術にて再手術を行った1例」▼福田晃大・野崎病院脳神経外科医師「Filter とStentriever で挟んで回収し得た内頚動脈Mobile thrombus の一例」▼沖山幸一・中部徳洲会病院脳神経外科部長「くも膜下出血で発症した内頚動脈前壁動脈瘤の治療経験」